肆拾壱ノ咄 ページ41
「………怜さんの癖に。生意気ですわ」
「理不尽」
ふいっと他所を向いてしまったナオミの耳が、ちょっと赤く見えた。
…気のせいと云う事にしておきましょう。
「そう云えば、中原さん?にお送りした太宰さんの服の写真はどうなされましたの?」
「え?嗚呼、報告忘れてましたね。『俺のちゃんと着ろ』と云われ着たものを自撮りしてお送りしましたよ。其こそ…時間があったので昨日の夜に」
「まぁ、其で、お返事は?」
「“首領に焼き増しして渡して来る”」
爆笑されました。
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──────
和やかに時が進む。
僕はナオミと春野さんのお話を聞きながら、偶に意見を出したりもした。
…と、そんな時に国木田さんから着信。
要約するとこうだ。
“組合の奴等が僕達の所に来るから逃げろ”
「……ナオミ」
「何ですの?」
「今直ぐ、宿から出る準備を」
ナオミの目に、強い光が宿った気がした。
其からは早かった。僕は女性二人を待っている間に警察に連絡。
誘拐犯とでも云えば良いとの事。
特徴は、国木田さんが添付して下さった写真から。
「怜さんも行きますわよ!」
慌ただしく部屋から出てきた二人。
僕は、周りを警戒しつつ足を進めた。
実戦には慣れてないんですけど…これまでに習った技術全てを使って二人だけでも、逃がしましょう。
其に、国木田さんに貰った銃もありますし。
「何してるんです、其方じゃ無いですわ」
「え?」
「如何して駐車場に行かなかったの?」
「前に太宰さんが云ってましたの。『相手と情報量が等しい時は裏をかいた方が勝つ。相手に情報量が劣る時は何を為ても勝てない』って」
…流石太宰さんだな。
そうして、僕達は旅館の人の車を失敬して、移動を始めた。
……何かに絡み取られるまでは。
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蛍(kei)(プロフ) - あんこさん» 深夜テンションの塊だなぁとは思ったけど突っ込まないでおく((( (2017年2月25日 12時) (レス) id: a4aa4c4dc7 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 蛍(kei)さん» いえー!ありがとー!!夢主君のドレスに突っ込まないでくれてありがとう深夜テンションでこれ殆ど書いたんだ← (2017年2月25日 9時) (レス) id: dcde93e978 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(kei)(プロフ) - どもどもー、零御だぜ!やばいナオミちゃん可愛い……(( (2017年2月25日 0時) (レス) id: a4aa4c4dc7 (このIDを非表示/違反報告)
リズ - この作品面白いですね! (2016年11月13日 23時) (レス) id: 9929c522bf (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - あんこ様、太宰さんとの絡みを書いて頂き、ありがとうございました!最高に面白かったです!!これからも頑張って下さい! (2016年10月28日 19時) (レス) id: 3767d3feec (このIDを非表示/違反報告)
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