参拾陸ノ咄 ページ36
次の日の学校。
今日は太宰さんは早くからお仕事だった様で朝太宰さんの部屋で起きた時、既に居ませんでした。
鍵はあったので閉めましたよ。
そして部屋を出たら居たのはナオミと、その兄谷崎さん。
「お早う御座います」
「お早う、怜君」
にへ、と笑う谷崎さん。
歳上だけど、可愛いなぁ、なんて思ったり。
「やっと兄様とご一緒出来てナオミ嬉しいですわぁ!」
「や、止めなってナオミ…!怜君も居るんだから…!」
「あら、怜さんは気にしませんわ?ねぇ?」
「え、ええ、まぁ」
助けを求める様な、縋る様な目で谷崎さんに見られたけれど心の中で土下座しながらひっそりと目線を逸らした。
ごめんなさい谷崎さん。
「だ、そうですわ。学校まで楽しみましょう…ねぇ、兄様?」
僕はイヤホンをしました。
其からの事は学校に着くまで後ろを振り向かなかったので知りません。
只、学校に着いた頃にはイキイキとしたナオミと疲れきった谷崎さんが居ました。
何をされたのかはもう怖いので聞きません。
「行って参りますわ!兄様、頑張って下さいまし!」
「い、行って来ます!お気を付けて!」
「うン!有難う二人共!」
少し手を振って、僕達は教室へ向かった。
いつもの通り花瓶を手に取る。
「そう云えば…怜さんは何故水替えを?」
不意に問われる。
……何故だったろうか。
「特に、理由は無いと思います」
「あら」
「初めてその花に気付いた時その花は既に、枯れていました。其が、何だか切なくて」
…嗚呼、そうだ。
一層の事、僕が一から遣ってしまおう。そう思って、同じ花を探して買ったんだ。
「今は毎日楽しいですよ。日課があるのは良い事です。切り替えが出来ますから」
「そうですの…乙女ですわねぇ…」
乙女……乙女?!?!
「なっ、何でそうなるんですかナオミ!」
「うふふっ、可愛らしいと思いますわよ?」
そう話していたら直ぐに人が来て、僕達はピタリと動きを止めました。
ナオミと呼んでいる所をバッチリ聞かれた。
「…うふふっ」
この後滅茶苦茶質問攻めされましたよあはは…。
もう無理疲れた…。
でも、何だかナオミが嬉しそうに見えたのは皆には秘密かな。
365人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蛍(kei)(プロフ) - あんこさん» 深夜テンションの塊だなぁとは思ったけど突っ込まないでおく((( (2017年2月25日 12時) (レス) id: a4aa4c4dc7 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ(プロフ) - 蛍(kei)さん» いえー!ありがとー!!夢主君のドレスに突っ込まないでくれてありがとう深夜テンションでこれ殆ど書いたんだ← (2017年2月25日 9時) (レス) id: dcde93e978 (このIDを非表示/違反報告)
蛍(kei)(プロフ) - どもどもー、零御だぜ!やばいナオミちゃん可愛い……(( (2017年2月25日 0時) (レス) id: a4aa4c4dc7 (このIDを非表示/違反報告)
リズ - この作品面白いですね! (2016年11月13日 23時) (レス) id: 9929c522bf (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - あんこ様、太宰さんとの絡みを書いて頂き、ありがとうございました!最高に面白かったです!!これからも頑張って下さい! (2016年10月28日 19時) (レス) id: 3767d3feec (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ