【inzm】雷門の天使様２ (ページ19)

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｢やってくれたな。染岡、豪炎寺！お前たちの"ドラゴントルネード"が教えてくれたよ。一人じゃできないことも、二人で力を合わせれば出来るようになるんだってな｣

　円堂が染岡と豪炎寺の肩を叩く。

｢エースストライカーの座は、譲ったわけじゃないからな｣

　そっぽを向いた染岡の言葉に豪炎寺が微笑んだ。穏やかな表情を浮かべる彼を見つめながら思い返すと、ライバルとも仲間とも呼べる、対等な関係のストライカーが彼に出来たのは、初めてのことではないだろうか。少なくともAが知る限り、豪炎寺は常に誰も及ばない圧倒的なストライカーだった。しかし、染岡は豪炎寺一人に頼るのではなく、常に追いつけるように、追い抜けるようにと努力を重ね、そばで走ってくれる。

　勝利の余韻に浸る雷門イレブンを眺めていると、不意に円堂がAに向き直った。

｢A｣
｢ん？｣
｢約束、守ったからな！お前も早く病気を治して、一緒にサッカーやろうぜ！｣

　Aは驚いたように双眸を瞠り、やがてぱっと花が咲くように笑った。

｢……うん！｣

｢よーしみんな、フットボールフロンティアに乗り込むぞ！｣
｢おう！｣

　改めて心をひとつにした雷門イレブン。新たな居場所を見つけた豪炎寺。そして、円堂(太陽)に対する好奇心が希望の光に変わったA。
　この日見た燃えるように鮮やかな夕焼け空を、生涯忘れることはないだろう。

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