【utit】甘く甘く溶けるまで (ページ2)

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志麻 × イメチェンページ2

志麻 side

『……っし、そろそろ休憩するか。』

パソコンの前、一度止めたゲーム画面が映されたモニターに向かい呟く。
座りっぱなしで凝り固まった腰を伸ばしながら水を飲む。
ーーブーッーーその時頻繁にはなることのないスマホが画面を点灯させ通知が入ったことを示した。

(なんや。仕事の連絡か？)

確認するべく、スマホを手に取り驚きで少し目を見開く。
映し出されたその通知は［A：志麻くん、今から会える？］と、予想していなかった人の名前と俺の予定を伺う言葉。
なんだろう？今日は確か先日俺がオフだからもしよければ出かけないかと尋ねたところ「予定があるから」と断られた日だったはず。予定がキャンセルになってしまったのだろうか。
なんにせよ大好きな彼女に久しぶりに会えるのはこちらとしては大歓迎だったので、
すぐに既読をつけ［おん、大丈夫やで］と、返信した。
彼女もまた、すぐに既読をつけると［向かうね。］の一言。
敬礼するキャラクターのスタンプをひとつ送り、彼女を迎えるべく少し部屋を片付けた。

・

《ピンポーン》

人が訪ねてきたことを知らせるその機械音が聞こえてきた。
モニターを確認すると、俯き加減で映る彼女。

『はい、どうぞー』

そう言ってオートロックを解除したものの、何かが引っかかる。
いつもなら満面の笑みをその画面に映し俺に手を振っているはずの彼女。今日の様子はどんな鈍感な人間が見てもわかるほどおかしかった。思い起こせば突然会える？なんて尋ねられることも初めてだった。
考えても考えても彼女の思惑がわかることはなく、そうこうしている間に二度目の呼び鈴がなり我に返る。

俺は急足で玄関へ向かい鍵を開け扉を開き彼女を招き入れる。

『いらっしゃ、、、、、、は？』