２８ノ唄「無縁と禁止事項」 ページ31
「いっぱい失敗……、
涙すっぱいじゃないでスカ」
「ふわわん」「ムヒヒウン！！」
当たり前だと言う様に鳴いたフワンテと、
バカル団に殺意めいた何かを向けるバンバドロ。
「バンバドロ、こやつらを踏むのか？
ようし、やれ。あとできちんと洗うでな」
……何だろう、ハプウさんの中でバカル団は、
何かの汚物的な扱いなのかな？
バンバドロもやる気みたいだけど……。
「俺ら逃げるっスカ！？
さよなら告げるっスカ！？」
「もう一度言っておくぞ！
相棒がスカスカ言ってるの
記憶に残る為だからな！本当に覚えておけよ！！
てっギャアアアッ！？」
バカル団がどこかから放たれた？のか
ハイドロポンプのせいで水浸しに……。
周りを見渡すと、いつの間に出て来たらしい
ルディがやったらしい。
……あとで言って聞かせなきゃ。
「ほら、帰れるか？」
「ふわわん」
ハプウさんがフワンテに帰れるか聞くと、
私の周りを一周した後、元の住処に帰って行った。
やっぱり《ポケモンには》、
《私が》何なのか、分かるんだね。
「おお！自分で戻っていく。良かったのう……。
そなたのおかげじゃ、名前は何というのだ？」
“アイといいます”
「アイ、か。良い名前じゃな！
それに何と言っても心根の良い戦い方じゃ！
妾は目的の為あちこち島巡りをしておる。
またどこかで会おうぞ！
助けてくれたお礼もしたいしな」
「ヒヒウ！」
「そうだ。アイ、
バトルロイヤルをしてみるといいぞ。
そなたの強さなら大丈夫と
バンバドロも言っておるでな」
そう言ってハプウさんはどこかに行ってしまった。
バトルロイヤル、か…。私には全く縁が無い。
正直言って、当主に固く禁じられている事の一つ。
・バトルロイヤル等の見世物系の施設には、
決して立ち寄ってはいけない。
・ポケモンリーグに挑むのは良いけれど、
当主の保護下にいる者は非公式戦扱いとして、
絶対にチャンピオンにはなってはいけない。
等々、私達の境遇や心傷の記憶などを考えた
当主が決めた制限というか、禁止事項が沢山ある。
だからなんだろうと思うけど、
私が、いや、当主の保護下にいる人は
大体《あんな》面白可笑しな通り名になる。
(教えてくれたハプウさんには悪いけど通り過ぎます)
怒りかも知れない。悲しみかも知れない。
まだ私には分からない。心に巣食うこの負の感情。
いつか、私に分かる時が来るのかな……？
その頃には私の心傷は癒えているのかな……？
２９ノ唄「蝶燐花財閥の保護下」→←２７ノ唄「バンバドロと通り道」
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時雨 - みづっら (2019年9月8日 17時) (
レス) id: daad10c58f (このIDを非表示/違反報告)
遊星(プロフ) - 更新停止になってますが大丈夫ですか？素敵な話なのに更新停止は勿体無いです。早く続き読みたいです。 (2019年6月24日 9時) (レス) id: cc3dcebb37 (このIDを非表示/違反報告)
20298265488 - 空白があまりなく読みにくいです (2019年6月17日 1時) (レス) id: fcd789ed98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ampere | 作成日時：2018年10月22日 22時
