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19ノ唄「記憶の片隅の名前」 ページ21

ハウ君と別れた頃には
もう夕陽が半分くらい沈んで、
夜空が見え隠れしている時間だった。
急いでポケモンセンターに向かったけど…
(もう、部屋がないなんて…)
グラジオとのバトルや
バカル団の彼に対する嫌味の傍聴、
ハウ君のアドバイスや
あとなぜ私が島巡りをしてないのかを
聞かれたのでその説明とか
色々と時間がかかったみたいで、
もう部屋が満室だとジョーイさんから聞いた。
(また野宿かぁ…)
凄くがっかり…というよりしょんぼりしていると、
誰かの気配が背後から感じた。
氷の椅子に座ったように、冷たい"何か"が走る。
まさかもうあの狂ったストーカーが追ってきたのかと恐る恐る振り返ると…、グラジオがそこにいた。
「アイ…、か。お前もここに泊めて貰うのか?」
そう聞かれたけど、狂ったストーカー対策として
口を閉ざしているから、何も答えられない。
よかった…、まだ追われていなかった…
私は彼に気付かれないように
静かに胸を撫で下ろして、
取り敢えず首を振ってメモを見せる。
“満室だから泊まれない。今夜は野宿かも”
「そうか…」
“今夜は冷えるらしいから、出来るなら避けたい”
二枚目のメモを見せた後、グラジオは
何かを考えるような様子だった。
今夜はどうしても野宿は避けたいと
思っているけど、満室だからどうしようもない。
どうしようかな…今夜…
「おい、アイ」
グラジオが私を呼んだので、頭を傾げる。
…一瞬だけど、耳が赤くなっているのが
見えた気がするけど、気のせいだよね。
「俺が取った部屋でいいなら…その、入れてやる」
目を逸らしながらそう言った。
…入れてくれるのは確かに嬉しいけど、
迷惑じゃないのかな?
“いいの、グラジオ?”
「嫌なら別に…いい」
グラジオのその言葉に、私は甘える事…もとい、
その誘いを受けて泊めてもらう事にした。
“ありがとう、グラジオ”
その返事に私は思わず笑顔になった。
…フードのせいで顔が半分、
隠れているから分かりづらいけど。
グラジオは短く返事をして、手続きを始めた。
まさか私が、敵であるグラジオと
一緒の部屋で泊まるなんて、思ってなかったなぁ…
相手は敵なんだけど、大丈夫…だよね?
「おい、アイ。部屋に行くぞ」
手続きが終わったらしく、私は頷いた。
そういえば、グラジオもリーリエ同様で
どこかで聞いた事があるような…
どこで、私は、その名前を聞いたんだろう…
思い出せそうなのに…思い出せない…

20ノ唄「意外な一面持ちの少女」→←18ノ唄「水浸しの悪意」


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設定タグ:ポケモンSM , グラジオ , オリジナル設定   
作品ジャンル:恋愛
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時雨 - みづっら (2019年9月8日 17時) (レス) id: daad10c58f (このIDを非表示/違反報告)
遊星(プロフ) - 更新停止になってますが大丈夫ですか?素敵な話なのに更新停止は勿体無いです。早く続き読みたいです。 (2019年6月24日 9時) (レス) id: cc3dcebb37 (このIDを非表示/違反報告)
20298265488 - 空白があまりなく読みにくいです (2019年6月17日 1時) (レス) id: fcd789ed98 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Ampere | 作成日時:2018年10月22日 22時

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