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18ノ唄「水浸しの悪意」 ページ20

「あん?」
半分殴ろうとした態勢で、
グラジオがバカル団を止めに入った。
「俺に勝てないくせに……、
 ポケモンを無駄に傷付けるな」
そういった彼は、ヴィーナスを引き留めている
体制の状態で、先程の出来事で内心
カタカタと怯えている私の方を見た。
「いいポケモンだ」
私に対してただそれだけを言った。
…なんでだろう、温かいけど
素直に言えないような上手く言えない優しさが
伝わってくるような気さえする。
けれどバカル団は、それが気に入らないらしい。
「わざわざ来たのに、骨折り損のくたびれもうけ。
 あなたが止めなきゃ、せせらぎの丘にいる
 主ポケモン奪ってたのに!
 帰ろ帰ろ、ヤミカラスが鳴くから帰ろ」
そう言ってバカル団の下っ端の一人は、
早々に帰って言った。
「グラジオさんよ。お前よ、
 ボスに気に入られてるけどよお
 雇われ用心棒なの!正式なスカル団じゃないの
 分かってるよなあ。なあ、なあ?」
もう一人の下っ端も帰った後に、
グラジオも一瞬私を見た後行ったけど、
いつの間にかハイドロカノンの準備が終わったらしいヴィーナスが、バカル団に向けて撃ち放った。
…案の定、グラジオを除いた他二人に
それがまともに当たったけど。
なんだろう、バカル団を見かける度に
いつも私の手持ちのポケモンが、
バカル団を水浸しにしてるように思える。
「アイありがとー、ケルディオもありがとー
 お疲れだったねー」
ヴィーナスをボールに戻した後に、
ハウ君が私に話しかけてきた。
私は怯えていた事を悟られないように
恐怖の感情から目を逸らし、また"鍵"をかけた。
そしてメモを素早く書いて見せる。
“大丈夫。ところでハウ君は
これから水の試練に挑むんだよね?”
「そうだよー!せせらぎの丘の試練に挑むから
 ポケモンを鍛えないとー!」
せせらぎの丘…、確かにあそこは
水の試練がある場所だった。
私とルディがミズZを受けたのが、そこだった。
“そうなんだ。
それじゃあハウ君、良い物あげるから頑張って”
私はハウ君に元気の塊を3つ渡した。
たまに当主から元気の塊や
元気の欠片とかの必需品兼消耗品とかが
大量にバッグに送られるから、
かなりの個数を持っている。
あげても何も問題はないでしょね。
「わーありがとーアイ!」
“先輩トレーナーとして当たり前だよ”
そう当たり前。昔の私なら
出来なかった当たり前の事なんだ。
…でも、私はいつかこの不毛な隠恋慕を
終わらせなくてはならない。

19ノ唄「記憶の片隅の名前」→←17ノ唄「圧勝と引き留め」


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設定タグ:ポケモンSM , グラジオ , オリジナル設定   
作品ジャンル:恋愛
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時雨 - みづっら (2019年9月8日 17時) (レス) id: daad10c58f (このIDを非表示/違反報告)
遊星(プロフ) - 更新停止になってますが大丈夫ですか?素敵な話なのに更新停止は勿体無いです。早く続き読みたいです。 (2019年6月24日 9時) (レス) id: cc3dcebb37 (このIDを非表示/違反報告)
20298265488 - 空白があまりなく読みにくいです (2019年6月17日 1時) (レス) id: fcd789ed98 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Ampere | 作成日時:2018年10月22日 22時

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