興味と好奇心(ぐろ注意) ページ7
NO side
雁夜は、青白い顔のままくたりとして依然動かない。
高野はそんな雁夜を揺さぶり続けながら、記憶と感情を必死で思い出す。
そうしてふと揺らすのをやめた。
「……ああ、思い出した…思い出しちゃった」
優しく床に寝かせ、自分自身を抱きしめ、静かに震えだした。
「私は……ゲームが好きで、」
震えた声で言葉を紡ぐ。
周りは心配そうにしながらも、手を出すのをためらった。
ただ少女だけが、光のない目で高野を見つめる。
「マンガとアニメが好きで、現実が常に嫌で、
ネットには冷たい人が溢れていることを知って
誰も信じれなくなって…そんなとき
“あの三人”に会ったんだ
それから“彼ら”は私の中にいて、
青は…仮面で、赤が…盾、黒が……矛だった…
あるとき、トンボを捕まえて…気になった、」
虚ろな目のまま、自らの手を自分の目の前に出し再び震え始めた。
「…羽を両側から引きちぎったら、
どうなるのかなって…！
…その遊びは楽しかった
中から白いシーチキンみたいなものが出てきて、苦しみながら息絶えるんだ…！
すごく楽しかった…価値観が変わった…！
そうして、私は何百匹かわからないほどトンボを捕まえてその遊びをして…」
知らない彼女を見た彼らは動揺する。
…無理もない。
無駄に虫を殺したくない、あの彼女が。
過去に最低でも百匹は残酷な遊びのためにトンボを捕まえ、殺した。
そんな話が出てきたのだから。
彼らが知る彼女とは異なる姿だったのだから。
「…でも、ある日それじゃ我慢できなくなった
そんなとき、幸運にも学校で飼ってたウサギが死んだ
私は墓を作ると嘘をついて自宅の裏の庭にウサギを持ち帰った
そうして私はウサギを刻んだりした！
驚きだったよ…！
だって…食用の肉と同じ風に切れるんだ！
…あと、目はくすんでしまったけれど…中身はとてもすごかった…
それはもう、言葉に表せないくらいに…」
肩を震わせ、静かに笑い始めた。
そんな彼女に恐怖を抱き始めたが、構わずに彼女の腕を掴み、声をあげたものが一人。
「…っ、待てよ…A…！
Aは…そうなるまでの“原因”があったんだろ！？
なんで…そんなことしてたんだよ…！」
城田真昼だ。
彼女は、静かに答える。
「…？“原因”…？
そんなものねえよ…。
ただ気になったからやっただけ…そんだけだ」
その答えが“当たり前”とでも言うように、彼女は平然とそう答えた。
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作者名：リリムゥ | 作成日時：2018年7月27日 14時
