翌日 ページ14
翌日。
…朝早くに瀬龍と怠惰組が家を訪ねてきた。
いつも休日は十二時くらいに起きるから、十時に来られると早すぎね？って。
ゴムを口にくわえて髪を結ぶ途中でそう思う。
パーカーのフードをかぶりながらジッパーを上に上げていく。
その後にフードをぬぐ。
…スイッチはちゃんと切り替えて…と。
「…はよーございまーす…」
ドアを開けながらそう声を出す。
…えっと…聞いた話では瀬龍と怠惰組だけだよな？
何故あの神様とユノとリノがいるんだい？
しかもしょぼんってなってる。尊い。
あっやべ出てきてる。戻さねえと。
「…高野A」
「…どうした、ユノ」
「「…ごめんなさい」」
少し頭を下げて、声を揃えてそう言った二人。
自分の目を疑う。
だって神様が普通の子供のように頭を下げてごめんなさいだと…？
いや、何かされた記憶がないんだけど。
「…雁夜琴葉を生贄にして、Aを化け物にしようと思ってました。
それで…Aが永遠に生きられたらな、って…」
…だいたい読めた。
「…まあ、結局琴葉も私も無事だしいいよ。
そんなんバレてなきゃいいんだって、バレなきゃ」
「いや、ダメだろ」
「真昼は真面目だなあ」
バレなきゃいい精神だからね、私は。
「…で、何のご用で？」
「Aと瀬龍に何があったのか…聞きたい」
「それを聞いて君はどうするの？」
ぐっ、と言葉に詰まったようだ。
少し視線を泳がせるも、言葉はまだ出てこない。
「…それを聞いて何をしたい？何ができる？
もう終わったんだから、別にわざわざ首突っ込まなくても、」
「それじゃ！」
大声を出して、立ち上がった真昼に驚く。
「…それじゃ、ダメだって思ったんだ。
もう終わったとか、そういうんじゃなくて…。
えっと…うまく説明できないけど、聞かせてほしい」
ダメかな、と少し困ったように笑うその顔から思わず目を逸らした。
「…A、いいんじゃない…？」
「…わかったよ、話す。
そんな面白くねえ話だけど、聞きてえなら」
カタン、と音を鳴らして座った真昼の顔はホッとしているようだった。
「…まずはお茶とかお菓子とか食べよ！ね！」
「…ああ、お茶出さねえと」
お菓子は和菓子です。
うん、ほうじ茶によく合う。
全員分のお茶とお菓子を出して、運ぶ。
「んじゃ…初めて会った時から？でいいか」
お茶を少し飲み、ことん、とテーブルに置いた。
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作者名：リリムゥ | 作成日時：2018年7月27日 14時
