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5話 ページ6

私は、一瞬、ママの不愉快そうな顔をわすれ、その子に名前を当ててもらいたいと思う気持ちでいっぱいになった。

彼の天使に嫉妬して欲しい。という願いは聞こえず。

彼に夢中になっていた。

だって、とてもすてきに見えたんだもの。

「まずアから。
アイ、アケミ、アツコ!アヤコ」

きゃっ、近いっ!

天使のやめなよ!たかちゃん!

なんて言葉は、私の耳から耳へ流れ

「アユミ、ア……。」

そのときだった。

一台の自転車が猛スピードで引かえしてきて、
私とその子の間にジャッと止まったのだった。

それを見た天使は

わっとかわいい声で言ったあと


『やだ!のりちゃんかっこいい!

さすが!でも女の子が危ない!』

なんて言いながらその子を褒めていた。

その子も満更でもなさそうだった。

「おい、黒木」

そう言って地面に片足をついた男の子は、
ふちのない軽い感じのメガネをかけていた。

「おまえなあ、
やたらに女ナンパすんのやめろよ。」

ナンパ!

私は、目がまん丸になってしまった。

これって、ナンパだったのお?!

そうわかったとたんに、
すてきな魔法がふうっと消えた。


「練習前に女なんか引っかけてると、

またコーチに怒られるぜ。来いよ。

Aは後ろ乗れ」


『それおみくんにも言われたよー

もうついてるからね?』

天使はそう言って歩き出した。


ほんとにほんとにごめんなさい!

でも、また会えたらいいね。

なんて言って手を振ってくれた。

男の子は、しかたなさそうな吐息をつき、
顔を上げてこっちを見た。

そして私にむかって、バチンと音のしそうな大きなウインクをすると、ハンドルを返し、迎えに来たメガネの男の子といっしょに、天使を呼び止めグラウンドのほうへとこぎ出していたのだった。

私は、あぜんとしてその場に立ちつくしていた。

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ももんが(プロフ) - 更新ありがとうございます!この作品は私の生き甲斐になっています!これからも更新頑張ってください! (2020年5月24日 16時) (レス) id: 5f1c65421c (このIDを非表示/違反報告)
- おはようございます!! とても面白いです! そして、楽しいです!自分のペースで、更新頑張ってください! 楽しみにしています!  作者様も、体調に気を付けて、無理なさらないでくださいね! 応援しています! (2020年5月24日 9時) (レス) id: fbeba8bbe8 (このIDを非表示/違反報告)
シロップ - 凄く好みの作品でびっくりしました!これからも更新頑張って下さい!! (2020年5月23日 11時) (レス) id: f315a783e1 (このIDを非表示/違反報告)
マロマロ(プロフ) - この作品すごく好きです!更新頑張ってください! (2019年11月17日 19時) (レス) id: 1787986370 (このIDを非表示/違反報告)
ももんが(プロフ) - 更新ありがとうございます!とっても嬉しいです!これからも頑張って下さい!待ってます! (2019年8月19日 12時) (レス) id: 5f1c65421c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:NONAME | 作成日時:2019年6月22日 23時

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