2話 ページ3
「あぶねーっ!」
ビクッとて私がたちすくむと、目の前に飛び出した黒の自転車が横すべりし、乗っていたひとりの男の子ごとひっくりかえるのとが、同時だった。
自転車ともつれるように倒れたその男の子は、もうちょっとで、後から来た別の男の子たちの自転車にひかれそうになった。
私はヒヤリとした。
でも、男の子たちは、次々にブレーキをかけて自転車を止め、地面に片足をついた。
「バカやろう、なにやってんだよ。」
「マウンテンバイクでコケるなよなあ。」
すると先程までゆっくりと歩いていた女の子まで走ってこちらまできた。
『なにしてるのよおみくんばかなの?
ちゃんとあやまりなさい。』
全員がハーフパンツに白いハイソックス、
白のTシャツの上から真っ赤なウインドブレーカーをはおっている。
胸には、はっきりKZのまーく。
カッズだ!
「ちっきしょう……。」
すると女の子がその子の頭をペシッと軽く叩いた。
「買ったばかりだから、
ブレーキでも試したかったんだろ。」
「立てなきゃ、『試合の水』でももってきてやろうか。」
「Aいいぞ。もっとやれー」
『そうじゃないでしょ!』
女の子は男の子たちの方を向いたあと、綺麗な他よりも色素の薄いボブヘアをなびかせて私を見た。
さっきも思っていたのだけど、
色白の肌に綺麗な吸い込まれそうなぱっちりとした茶色の瞳。
まるで天使みたいだ。と思った。
その子は綺麗なソプラノ声で
『大丈夫だった?
ごめんね?』
と今にも泣きそうな顔でこちらを見ていた。
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ももんが(プロフ) - 更新ありがとうございます!この作品は私の生き甲斐になっています!これからも更新頑張ってください! (2020年5月24日 16時) (レス) id: 5f1c65421c (このIDを非表示/違反報告)
凜 - おはようございます!! とても面白いです! そして、楽しいです!自分のペースで、更新頑張ってください! 楽しみにしています! 作者様も、体調に気を付けて、無理なさらないでくださいね! 応援しています! (2020年5月24日 9時) (レス) id: fbeba8bbe8 (このIDを非表示/違反報告)
シロップ - 凄く好みの作品でびっくりしました!これからも更新頑張って下さい!! (2020年5月23日 11時) (レス) id: f315a783e1 (このIDを非表示/違反報告)
マロマロ(プロフ) - この作品すごく好きです!更新頑張ってください! (2019年11月17日 19時) (レス) id: 1787986370 (このIDを非表示/違反報告)
ももんが(プロフ) - 更新ありがとうございます!とっても嬉しいです!これからも頑張って下さい!待ってます! (2019年8月19日 12時) (レス) id: 5f1c65421c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:NONAME | 作成日時:2019年6月22日 23時