魔法の薬【あんスタ】 (ページ9)

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ep.8 ページ9

「はい、出来ましたよ」
鉄「うーみゅ、守る側の人間がこんなザマで恥ずかしいッス」
「このキズも、護るために出来たものです。誇りですよ」
奏「そうですよ〜、てとら。きずがないひとなんていないんですよ」
翠「深海先輩、傷できたことあります？見たことないすけど……」
千「奏汰は、元からのポテンシャルが高いからな。」
忍「恐ろしいでござる………」

鉄虎さんを見れば、もう歩き方に違和感もなさそう。
二三日もすれば、普通にジャンプも出来ると思うけど。
元からの自己治癒力が高い人だから、無理だけはしないで欲しいけど。

奏「そういえば、A、さいきん『なにか』なかったですか？」
「…なにかですか？」
奏「たとえば、だれかに『つけられ』たりとか」
「え、そういうの全くないですよ！そういう事件起きてるんですか？」
千「…まぁ、そうだな！女性を狙ったストーカーというのは絶えず起きている！Aも気をつけるんだぞ」
翠「俺らが四六時中付ければいいんですけど、そうにもいかないですし」
忍「拙者が作った撒きビシ使うでござるか？」
「そこまでしなくても大丈夫ですよ。」

皆さんの疲れた顔を見ておいてまで、迷惑をかけようなんて思わない。
できる限りの暴漢対策しとこうかな。

「戸締りとか、夜一人で出歩くとか控えますね。」
千「そうしてくれると有り難い！」
忍「A殿は抜けてるらしいから、ほんとに気をつけて欲しいでござる……」
「それ、鉄虎さんが言ってるだけです！！」
翠「ほんとに、気をつけてくださいね…」

正直、私みたいな平凡な顔立ちの女よりも、皆さんみたいに顔のいい男の人たちのほうが気をつけた方がいいと思う………
別にそんな狙おうだなんて1ミリも思っていないけど、そう思う女性になにかされてもおかしくないのはこの人達だと思う

千「そろそろ戻るか」
奏「そうですね、ではおきをつけて〜」
「あ、はい！皆さんもくれぐれも無理はなさらず！」

千秋さんに引き摺られるように連れていかれた翠さんの眼は、私じゃない誰かを強く睨んでいた気がした。

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翠「誰の気配ですかあれ」
千「さすがにわからないな俺にも」
奏「Aは『どんかん』ですから…」
忍「少なくとも、前はなかったでござる。」
鉄「だれかに監視されてるッスね」

鈍感なんて言葉で済ませて、あの子になにかないことを祈るしか俺らにはできなかった。