ep.5 ページ6
どうやら、英智さんは相当厄介だったらしい。
あれから、1週間後また桃李さんが同じお薬を取りにこられた
私が届けに行ってもいいんだけど、桃李さんにあまり良くない治安の場所だからと断られた
あんなに可愛いお顔をしているのに、私の心配までしてくれるなんてほんとに抱きしめたいくらい嬉しかった。
「…すんません、ここって傷薬貰えます？」
「ありますけど…え、どうされました？」
「さっきそこで滑っちゃって。擦り傷なんすけど。」
「今すぐ手当しますよ。えっと、お名前…」
ジ「漣ジュンっス。助かります」
「ジュンさん。どうぞ〜」
傷口を見せてもらえば、深くは無いものの腕に数箇所擦り傷があった。
……これ、ほんとに擦り傷？
まるで、何かに切りつけられたみたいな傷の付き方…
「…これ、ほんとに擦り傷ですか？」
ジ「ホントっすよ。丁度枝2本に擦っちまって。」
「…あぁ、なるほど。傷は深くないので、すぐ治ると思いますよ。少し強めのやつぬりますね」
奥に塗り薬を取りに行こうとした途端、扉がすごい勢いで開いた。
「ジュンくん！！！なんてヘマしてるんだね！！！！」
ジ「…おひいさん、うるさいっすよォ。ヘマなんてしてないですって。」
「やられてる時点でやらかしてるね！僕に文句言えないね！……ところで、君は？」
「…あ、えと…ここの薬屋してます。Aです…」
日「僕は巴日和！その小さそうな頭に叩き込んどくといいね！」
なんとも一言余計な……
ジュンさんは頭を抱えてため息をついている。
日和さんは、何やらいっしゅん考えて私を指さした。
ほんとに失礼極まりない…
ジ「それ、塗り薬だね？」
「あ、はい。ジュンさんに塗るヤツです」
日「僕も頂いていいかな。お代はきちんと出すからねジュンくんが！」
ジ「俺っすか！？」
日「当たり前だね！今回はジュンくんのせいで僕も被害被ったからね！…まぁ、サポートしきれなかったのは認めるけどね」
どうやら、ジュンさんのさっきの言葉は嘘らしい。
もう隠せないと思ったのかジュンさんは何も言わない
正直、珍しい話ではない。
この辺はそういう輩が多いから。
私は絡まれたことは無いけれど、たまに撃ち合いしているのが聞こえる時はある。
びくりともしない。
「日和さんも、傷口見せてください。ジュンさんのは強いかもしれません。」
日「…僕の傷、背中だけど見たい？」
「そういうのいいです。はい、後ろ向いて。」
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作者名：aka______s | 作成日時：2022年3月21日 18時
