ep.15 ページ16
茨さんに引っ張られ、長い廊下を歩く。
最悪なことに窓1つも廊下にはなかった。
それに、手錠まで付けられた。鎖付きの。
ここまでしなければならないのか。
さっきまでの待遇はどこにいったのか。
天地の差ではないだろうか。
茨「こちらにどうぞ」
扉を引かれ、中に入ると作り物かのように綺麗な人がいた。
思わず目を瞬かせると、その人はゆっくりと石を眺めていた視線をこちらに向けた。
まるで獣だ。餌を狩る獣の目。
威圧感なんて半端なものじゃない。
手なんて触れようものなら、やられてしまいそうだ
「……茨、その子が言ってた子？」
茨「えぇ、そうです閣下。ようやく見つけました！」
「……ふーん…、その鎖、痛そうだけどつける必要あったの？」
茨「万が一逃げられてしまっては困りますので！」
やっぱり茨さんの意思じゃないか！！
さっき私にこれ付けた時は、まるで自分の意思ではありませんかの如くすいませんなんて言ってたくせに！！！
「……まぁ、いいけれど。君がAさんなんだよね？」
「あ、はい…」
凪「……私は、乱凪砂。これから、君と生活を共にするかもしれないから……一応、覚えておいてね」
目が、変わった。
さっきまでの雰囲気はどこにいったんだ。
っていうか、生活を共にするかもしれないってどういうこと？
私もしかして、結婚申し込まれてる？
え、いや、そんなアホな話…
茨「何やら変な思考を巡らされているようなので先に言いますが、俺たちはAさんのその能力が欲しいんです」
「…と、いいますと」
茨「貴女、薬ならなんでも作れますよね？それが例え……
＿＿＿危険ドラッグであったとしても。」
この時代、あまり知られてはいないものでは無いのかそれは
だって、みんなが皆薬屋になれる訳では無い。
むしろ、薬屋というものはひとつの国に1人いればいいくらいだ。
そういう薬 物関連は、一切出回る隙もないはずなのに。
どうしてこの人はそれを知っているんだろう。
「ただの薬屋です。そういうものは作れません」
茨「貴女、以前作ってますよね。」
「……何の話ですか」
茨「シラを切るなんて白々し……」
＿＿ｶﾞﾁｬｯ
日「ちょっとジュンくん！遅いね！」
ジ「おひいさんが、あれも欲しいこれも欲しいっていうからこっちは手が塞がってるんすよ勘弁してください」
茨「……日和殿下、ジュン……」
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作者名：aka______s | 作成日時：2022年3月21日 18時
