It is you that I really want to protect.【天月-あまつき-】

11話@りあ ページ12

そんな約束をした日から、2ヶ月。


どの学校でも、バレンタインが終わって、卒業シーズンだ。


卒業シーズンといえば、委員会や部活などでお世話になった先輩に、


“ 泣きながら抱きつく “ のがここの学校の裏ルールみたいだけど、


当然私には関係無かった。


私は、“ 泣かれないし抱きつかれもしない ” で、ここをさよならをする。


それでもいい。


＿＿＿＿＿＿残り、あと1ヶ月。


日に日に気持ちが軽くなっていて、今や学校という場で『楽しみ』という感情が芽生えるようになった。


これは大きな進歩だと思う。


そんなことを思っていると、いじめのリーダーと思われる人が、私の机にきた。


数人、連れてきている。


貴方「……あ、あの」


「ちょっと来なさいよ」


貴方「えっ、いや、あの」


・
・
・


連れてかれたのは、外。


雪がチラチラと降っている。あんまり積もってはないみたいだ。


温暖気候らしい。


そしてここは学校裏にある、倉庫の前。


本当は何も入ってないと噂。


…………ここで何をするんだろう？


すると、リーダーらしき人が言う。


「あんた最近調子乗ってない？」


次に、手下みたいな人達。


「何かいいことでもありそうな顔してるけど、無いの分かってるよね？」


……………いや、ある。


だって転校するんだもん。


「ムカつくから、ここ入って」


貴方「…え？」


恐らく職員室から借りてきた鍵で、ガッという音と共に空いた。


本当に、何も入ってない。


先生たちは、何も入ってない倉庫に何の用事があるのか、って疑問に思わなかったのかな。


…いや、きっと思った。


ただの傍観者だから、生徒一人がい.じめられてても助けることなんて出来ない。


＿＿＿＿世界は、残酷だ。


早く！と言われ、肩を押される。


当然、倉庫に入る。


ふふっ、と彼女たち特有の不敵な笑みを浮かべ、ドアを閉めた。


……………暗い。どこまでも暗い。


人は暗闇になると何の根拠も無しに、恐怖を覚えるらしい。


私の体は、寒さと恐怖が混じって、ガタガタと震えていた。

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