13、あの子のりあるふぇいす ページ13
××
何かの気配を察知し、私は目を覚ました。
カッと目を見開けば「あ、漸く起きましたか？お寝坊ですね」と穏やかな声と共に、視界の前にドアップで仮面が現れる。この仮面は───
「っ、───ぎゃあああああ！！」
「のわぁっ！？」
「不審者！変質者！変態だーー！このハゲぇぇーーー！」
「学園長に対して不名誉なあだ名をつけないでください！私は貴女を起こしに来ただけです！あとハゲてませんから！」
なんだ、私を起こしに来ただけか……
いまいち納得いかないが本当に私を襲う気はなさそうなので抵抗はやめた。
「さあさあ、起きたなら談話室まで行きますよ。もう彼らも起きてますから」
私は大きく伸びをして、ベッドから立ち上がる。もたもたしている私にイラついたのか、「ほら早く！」と腕を引っ張られた。せっかちだな。
「……しかし、君があんな声を上げるとは思いませんでした。もっと大人しいのかと」
「私、暗く見えて本当はとても明るくて愉快な女の子なんです」
「そ、そうなんですか……」
不審者はドン引きした様子で答えた。
しかし、不思議だ。陽キャ男や人間の男子の前では「う、うん」と答えるだけで精一杯だったというのにこの不審者に対しては自分でも驚くほどに本音をぶつけられる。
(はっ、もしかしてこれが───恋！？)
胸の高鳴りは……特に感じないな……
階段を降りて談話室に入ると「おはよ、Aちゃん」と人間の男子が手を振ってくれた。うん、恋愛フラグ立てるべき相手は絶対こっちだ。
「さて、これで全員揃ったので本日のお仕事についてお話したいと思います。今日は正面から図書館までのメインストリートの清掃をお願いします。昼食は学食で摂ることを許可します」
異世界の学園の学食……なぜだろう。
ゲテモノ料理しか想像できない。地球人の私が食べても大丈夫なものだろうか。うっかり食べて豚にされたりしないかな？
「お二人は昨日のような騒ぎを起こさないよう、グリムくんをちゃんと見張っていてくださいね！ではしっかりと業務に励むように！」
それでは、と不審者が出て行った途端、今まで黙っていた謎生物がちぇっ、と舌打ちした。
「掃除なんてやってられねぇんだゾ。
オレ様も魔法の授業でバーン！ドドドーン！ってかっけー魔法打ちまくりたいんだゾ〜」
「と、とりあえず学校に行ってみようよ！
掃除が終わったら図書室で勉強すれば良いし。
ね、Aちゃん？」
「あ、う、うん」
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柊あんず(プロフ) - 洸さん» コメント返信遅くなってしまい申し訳ありません…画力やばいですよね…表紙絵見るたびに惚れ惚れします…更新頑張りますね…！！ (2022年5月5日 17時) (
レス) id: 69139934db (このIDを非表示/違反報告)
洸 - 待て待て待て待て画力チートか？画力高杉な？めちゃくちゃ綺麗じゃないっすか。話も素敵です！更新待機。 (2022年4月24日 16時) (レス) id: 2f1dccb094 (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - 櫻陽花さん» コメントありがとうございます！ただいま訂正させていただきました〜！ありがとうございます (2021年3月29日 15時) (レス) id: 69139934db (このIDを非表示/違反報告)
櫻陽花(プロフ) - 序盤の鉱山内での台詞ですが…5年ではなく10年だったと思います…… (2021年3月28日 21時) (レス) id: 07bd924354 (このIDを非表示/違反報告)
柊あんず(プロフ) - 鮎さん» コメントありがとうございます〜！襲いくる数々の理不尽…！耐えるんだ！多分、三章くらいではメンタルムッキムッキな女の子になっていると思いますね(遠目) はい、更新頑張ります…！！ (2020年6月28日 1時) (レス) id: 30d83766f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんず
| 作成日時：2020年5月30日 23時
