夜が連れてきたのは __ 。 ページ3
_
「……………太宰」
ハンチング帽に茶色のスーツを着崩した男___
江戸川 乱歩は、ソファで ぐでーっとしている男に声をかけた。
「………はぁい?何か用ですか、乱歩さん」
江戸川に声をかけられた男___
太宰治 は、気だるげに返事をした。
「………はぁ。お前の恋人。
宮應 A が夜に連れられて
此処、武装探偵社に入社した。」
何か、爆弾発言をされたかの様に 太宰は
ソファから飛び起き、江戸川を凝視する。
「なっ………」
「そう云う所はAと正反対か。
何故、Aを知っているのかって顔してるな。」
.
.
『___答えは簡単。
私と乱歩さんが昔からの知り合いだから。
そう云えば、太宰に 乱歩さんの事話して無かったかぁ〜…』
「……僕の忠告通り、彼処に浸かり過ぎないでいたんだな。」
『────忠告……やっぱり最初から判ってて云ったのか〜……』
江戸川の言葉に続く様にして、
聴こえた 其の声は、太宰の良く知る声。
太宰が愛して止まない、愛しい恋人の声___
「っA!!」
『っわ……!』
仕事仲間が居ても憚らない、とでも云う様に
太宰はAを正面から抱き締めた。
まるで、もう離さない。と、訴える様に
強く、強く 抱き締めていた。
「………っ何で、六年間もの間 何も連絡してくれなかったんだ……!
今までずっと、私がどんな思いで過ごしてきたと思ってるんだい!?」
Aの肩に顔を埋めて、悲痛に叫ぶ太宰。
何時もの飄々とした太宰の面影は何処にもなく、
突如現れた 太宰の恋人(?)に探偵社員は皆
驚きを隠せずに居た。………まぁ、無理もないのだが。
『………ごめんね、太宰……
此れには一寸深い訳があってさ……?』
「……Aは恋人の太宰にも連絡してなかったのか……
確かに公にして善い事じゃないけど
せめて、太宰位には云っておいた方が
善かった話だぞ、A。
其れに、どのみちバレる話だ。……そうだろ?」
『………乱歩さん。あんまりベラベラ話さないでくれる?
時間はもう戻らない。
今更 、なんだよ。
後、太宰が面倒な事になるから 本当にやめて。』
.
232人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シディア - 続き読みたい! 消さないで、、、ほしい (2021年7月27日 23時) (レス) id: 939d5c7779 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 続きを読める事を楽しみにしています (2021年4月14日 10時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
りりむ(プロフ) - 消さないで〜 (2020年3月29日 18時) (レス) id: 31d6b5db5b (このIDを非表示/違反報告)
みしゅあッ! - 語彙力が無いのであれですが…… 兎に角消さないで下さい!! (2020年3月29日 18時) (レス) id: 0545beb8d1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:宵時雨 | 作成日時:2020年3月27日 3時