シャドウライト【イナGO,主にseed】 (ページ38)

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28〔過去･隼総〕ページ38

だけど、外の世界は、そんな甘いものでは無かった。

その頃は、丁度、世界中が、大混乱だった。
と言うのも、民主革命があったために、どこの国も、(一部の金持ちを除いて)貧困に見舞われていたのだ。
隼総の故郷も、その貧困の真っ只中だった。

当然、隼総の服は、周りの人に比べて数十倍も綺麗なもので。
隼総が“金持ち”なのは明白……
しかも、夜道に子供一人。

柄の悪い人達に、襲われた。

同時刻、隼総のお屋敷は大パニック。
それもそのはず、大事な後取り息子が家出をしたのだから。

屋敷の人間、総出で隼総を探しに家を出た。

隼総は、とにかく走った。
怖くて怖くて、走り続けた。

どのくらい走っただろう？
辺りが少し、明るくなった頃、隼総の体力も限界だった。

柄の悪い人達に追い付かれそうで……
丁度その時、向かい側からは、お屋敷のメイドや執事達が来ていて……

隼総はもう駄目だと思った。
柄の悪い人達に捕まれば、生きては帰れないかもしれない。
屋敷の者達に捕まれば、またつまらない日々を永遠と繰り返す。

……どちらも地獄だ。

極限状態で、隼総は、生まれて初めて、死にたいと思った。
たまたま目に写った、海。

飛び降りたら…死ねるかな……？

と、その時。
一人の男性が現れた。

？「こんなところで死んで、君は満足か？」
隼総「あなたは？」
イシド「イシド･シュウジ……今はそう呼ばれている」

そう言って、隼総に救いの手を差し伸べた。

イシド「オレは、キミの望みを叶えよう」
隼総「！」

隼総は、チャンスだと思った。
この人なら、自分の世界を変えてくれる、と。

だから、隼総は、その男の手を取り、フィフスセクターへと行くことになった。