第90衝突 ページ9
雅臣さんが勤務している病院はここから遠からず近からずの場所にある。
私たちは息を切らしながらも走った。
そのままの勢いで病院に入ったから、入るなり色んな人にジロジロと見られた。
けど、それはもうどうでもよかった。
入ってすぐのナースステーションで
『絵麻!
ハッハッ……朝比奈絵麻の、病室はどこですか!』
私の気迫に負けたのか「あ、えっと……」を繰り返すばかり
待っている時間でさえおしいのに…なんなのこの人は!
と、苛立ちを隠せていない私の肩に誰かの手が置かれた。
「Aさんと侑介さんですね?
朝日奈先生から話は伺っております。
ご兄妹様の病室はこちらです。」
『ありがとうございます……!』
雅臣さん、ありがとうございます。
案内されるがまま病院の中を歩いた。
「ここが朝日奈絵麻さんの病室になります。」
『ありがとうございます。』
ナースさんはペコッと頭を下げてもと来た道を戻って言ってしまった。
"503号室 朝日奈絵麻"
部屋のボードにはそう書いてあった。
『侑介、翠桜……開けるよ?』
ドアノブに手を掛けて二人を見る。
2人は声は出さず縦に首だけを動かした。
ガラ-ッ
そのドアの開く音と同時に目に入ってきたものは
雅臣さんに右京さん、要さん。
雅「あ、2人とも着いたんだね。」
雅臣さんは少しニコッと笑顔を浮かべるけど、その笑顔でさえ痛々しく感じるくらい顔色が悪かった。
右京さんも何も話さないけど眉間にしわが出来てて肩をワナワナと震わせていた。
当たり前だけだけどいつもとは違うテンションの要さんは目には涙が溜まってた。
それはすべてドア付近から見たもの。
近くで見たわけじゃない。
少し遠くで見るのと近くで見るのまた違うから……。
私が…どうにかしないと…
その一心で1歩、また1歩と3人に近づく。
けど、目に入ってきたのはなんとも酷い光景で……
口には呼吸器を付けて、腕には点滴。
頭には包帯、顔には絆創膏。
ねえ、神様。
どうしてこうなっちゃったの……?
教えてよ…
お願い、します…
なんで、絵麻なの…
やるなら私にしてよ…
『いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!』
「「Aちゃん!!!!/A!!!!」」
いやだ、もういやだ!
なんでいつも私の周りばっかり
頭が割れるよう、心臓が張り裂けそうに痛いよ!
私は頭と心臓を抑えながら膝から崩れ落ちて行った。
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うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか? (2021年11月3日 13時) (レス) @page21 id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
水無月のぞみ - 更新待ってるので頑張って下さい!オチは祈織しかいない気がする。 (2021年8月14日 17時) (レス) id: 90a3a483bc (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 更新再開楽しみにしています! (2020年3月18日 3時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
永遠~トワ~(プロフ) - うたプリ大好き?さん» コメントありがとうございます!更新は続けたいと思ってはいるのですがどうしてもこのあとの展開が考えられなくて(汗)長くても今月中に1話は更新したいのでできる限り頑張ります!これからもこの作品をよろしくお願い致します! (2019年10月23日 14時) (レス) id: a97a9b255c (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています!更新停止状態のままですが更新はされるのでしょうか? (2019年10月15日 7時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
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