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そんな他愛もない会話をしていれば

「そうだ、今日は何かの用事があって来たんじゃないの?」と歌姫さんから聞かれハッとする。

完璧に忘れてた。
だが、正直このまま忘れていたかった。
『・・・ェッ、えーと、ですね。』「ん?」
しどろもどろに軽く要点だけ話をする。

『京都校の学長・・・楽巌寺学長に呼ばれていまして。今どちらに居られますか?』
「あら、そうだったの?
 呼び止めちゃってごめんなさいね。」

「そうね、あの人なら学長室でお茶でも飲んでらっしゃると思うわ。」
そう聞いた途端私の中の何かがプチンと音を立てなて切れたような気がした。

ふざけんなよ。クソジジイ。
人の久々の休日奪っといてアンタは1人のんびりとお茶ですか・・・!!!

その言葉が出そうになったがグッと堪えその代わり『ふゥー・・・』と重たい息を吐く。

「どうかした?」と不思議そうに聞いてくる歌姫さんに『いえ』と先程の怒りと打って変わって笑みを浮かべそう返す。

そして、『そうだ、ここに来る前に先生や三輪達にと思い東京土産買ってきたんです。』良ければと言って歌姫さんに渡す。

「まぁ!いいの?ありがたく頂戴いするわね。ありがとう。」ほっとひとつ安心すれば
でも、と付け足される。

何かまずいことをしただろうかと内心焦れば
「あの子達のお土産は自分で渡してあげて。」
『え?』と聞き返せば
「きっとその方があの子達も喜ぶわ。」そう笑みを浮かべ言ってきた。

『なるほど、そうします。』
「えぇ、あの子達には後で貴方が来るって伝えておくわね。」
『はい、では』そう言い歌姫さんと別れ楽巌寺学長のもとへと向かった。

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作者名:狐珀 | 作成日時:2021年1月19日 5時

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