白烏 ２

【 初めましてエース 】 ページ15

___翌日 昼休み



〈 ３年３組 〉



東「………(何か1人増えてる…)」



日「……………」

影「……………」

貴「……………」




昨日無理って行ったのに、今日は影山を連れて最早力づくで連れてこられた。何で俺なの？って聞いたら “ なんか心強いから！ ” って根拠無しかよ、解放してお願い。




東「何で一緒に練習した事ない俺が気になるの？今の面子であの青葉城西に勝ったんだろ？西谷も無しで」


日「あっアサヒさんが戻って来ないと、2・３年生が元気無いから！！ですっ」


影「声でけーよ」



日向のクソでかい声のお陰でクッソ目立ってる。そして俺の身なりからして更に目立ってる。
全速力で帰ってもいいですか？今なら自己ベスト更新出来る気がする。





日「あ、あと！青葉城西の時は！この、コイツ！」


貴「(コイツて…)永田玲です…一年、です。貴重なお昼休みを…態々すみま、せん…」


東「うぇ！？あ、いや良いんだよ！全然！俺 東峰旭 ３年よろしく」


貴「はい」


日「で！戻って来てください！アサヒさん！」


影「(だから声でけーよ)」




確かに東峰先輩の事になると2・３年生の顔色が優れなくなる。西谷先輩が帰って来てから頻度が増してる
2年間同じ部活でやってきた澤村先輩も菅原先輩も…
菅原先輩なんてその頃セッターだったはず。そうなって来ると気持ち的に重たいのは菅原先輩だ


セッターはチームの中心核。エースが折れた原因が自分がトスを上げ過ぎたのかもしれない…なーんて考えちゃうのは致し方がない




東「悪いな…俺は高いブロック目の前にしてそれを打ち抜くイメージみたいなのが、全然見えなくなっちゃったんだよ…
必ずシャットアウトされるか、それにビビって自滅する自分が過るんだ…」


日「…一年の…ち…チビにこんな事言われたら生意気って思うかもですけど…」


東「思わないよ。何？」


日「俺 それ分かります。
飛んでも飛んでも目の前にあるのは人の壁…俺 背が低くて技術も無いから、ブロックに捕まってばっかで…でも今は影山のトスがあるからどんな高いブロックも躱せます！




ブロックが目の前から居なくなってーネットの “ 向こう側 ” が ばぁっと見えるんです」




言葉足らずだが、身振り手振りで自分の気持ちを伝えようとする日向。

そういう言葉って本心って分かるから、より一層ダイレクトに来る


東峰先輩の顔を見れば何となくだけど、戻って来るんじゃないかって思った

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