白烏 ２

【 我儘と嬉しさ 】 ページ14

《 西谷side 》




練習試合…謹慎が明けて初めての試合。しかも因縁のライバルで、東京の古豪…絶対強いところだ。
きっと凄えリベロがいて、凄えスパイカーが居るに違いない！…でも




西「…大地さん。すみません 俺 練習試合出ません」


澤「…東峰が戻ってないからか？」





練習試合出ないなんて、きっと贅沢なワガママだ。それでも直ぐ否定しないで俺の話を聞いてくれる大地さんは、本当に懐が深い





澤「…お前は東峰が “ 逃げた ” って思ってハラ立ってるのかもしれないけど、西谷は西谷なんだしー…」


西「…翔陽はいい奴だし、他の一年も曲者揃いだけど面白そうな奴ばっかで
これからこのチームはなんか…こう、いい感じにやって行くんだと思います。

俺も…ここで練習したい…けど、試合に…俺も試合に出て…勝ったら…



旭さんが居なくても勝てるって証明になるみたいで…今まで一緒に戦ってきたのに、旭さんが居なくても勝てる…みたいになるの嫌です」







想像しただけで顔が歪む。もしそれが俺自身なら絶対嫌だ。根性無しで、部活に来れない人だけど、それでも俺にとって烏野のエースは旭さんだけだ。



西「わ、ワガママ言って…スミマセン…」


澤「…分かった。でも合宿は出てくれよ」


西「えっ……」


澤「永田！」





えっ、何でこのタイミングで永田！？で、え？何で大地さん俺の事背中に隠してんだ？
つか翔陽！永田にひっつき過ぎだ！！





貴「…はい？」


澤「永田はさ、今度の合宿どう思う？」


貴「…また漠然と…です、ね？合宿…俺、バレーの中でレシーブが…1番、苦手…です。だから、西谷先輩が帰って来てくれて…嬉しい、です。し、教えて欲しい…って思って、ます」




澤「そっか、ありがとな」


貴「？はい。日向…離れて…」


日「嫌だ！あと俺も西谷先輩にレシーブ教えてもらうんだからな！永田より上手くなるんだからな！」


影「無理だろ」


日「んだと影山ァァア！！」






………う、嬉しい…

これはちょっと、久しぶりに本気で嬉しいぞ…
多分俺の頬っぺた赤い…




澤「な？」


西「……ッス」





取り敢えず顔の赤みがバレないように、未だ永田に張り付いてる翔陽を引っぺがして、俺が飛びついた


あー、どうしよ。





西「永田好きだぞぉおおおおっ！！！」


貴「ひっ、うぇえっ？！」




考えちまう前に言葉が出ちまうけどな！！

【 初めましてエース 】→←【 音駒高校 】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す