『そらる』俺、子供育ててます。

子供生活50日目 ページ11

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ここから話すことは俺の独断で、全くまふとAには話していない。だからこそ、放送でまふは俺を止めることが出来ないし、声も出せない。悪いが俺にとっては好都合だ。

『……ここから言うことに批判は沢山来ると思う。それでも、俺は言うから…ちゃんと向き合って聞いて欲しい』

さっきまで大量に流れていたコメントが止まって数が少なくなる。ほとんどが黙って聞く体制をとっているようだ。

『まず一つ、俺は…俺達はアイドルじゃない。アイドルは確かに恋愛だって禁止だ、だけど俺達は自分の意思で歌い手をやっている。それを縛られる必要は無いんじゃないかって思った』


『今回だって、これまでだって、炎上はよくあった。俺じゃなくても、他の歌い手も炎上することもあった。それはどうしてだと皆は思う？…多分、俺らが言わなかったから混乱して騒ぎになった。でもさ、それっておかしいと思うんだ……だって、俺達にもプライベートはあるでしょ？プライバシーだってあるよ』

『皆が俺達だったらどう思うんだろう、別にただ人助けしたり、道端でアンケートとかの声をかけられて仕方なく答えたりする時もあると思う、その様子を、その瞬間だけを取られてアップされたら……別に友達と一緒に居るだけなのに彼女だとか騒がれて、兄弟で居ることも問題になるかもしれない。何もかもを見られてる恐怖って……怖いんだよ』

言っていて声が震えそうになる。
怒りもあるのにそれよりも、悲しくなった。

『何も、悪いことなんてしてないのに…住所を晒されたり、子供の頃の写真を出されたり。なんで俺達は縛られるんだろう、ただ、皆に歌を届けたい一心なのに……なんで、コラボも制限されちゃうんだよ。仲良くしたい人と仲良くして何が悪い！炎上して、謝っても、否定しても信じてくれない、…許してくれないの？…どうして全部、教えなきゃいけないの…？』

「っ…そら、る…さん」

まふは涙目で俺を見ていて、膝の上で握られている拳は力がこもりすぎて真っ赤だった。

『俺は、悲しい……この生活にプライベートもプライバシーのへったくれもあるもんか、全部晒される意味がわからない。恋愛しちゃいけないなんて、皆にそれを言わなきゃいけない意味も分からないよ。俺達は自由じゃない！！縛られている、何もかもをあかすことなんて出来ないのに…！』

「そらるさん！！」

まふが俺の肩を掴んで叫ぶ、思わず固まって声が出なくなる。



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「お願いだから、やめて……！」

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