殺戮の天使～偽りの後日談 (ページ27)

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○○をしないと出られない部屋　その３　超注　【ザック＆男主＋キャシー】ページ27

「ああ！？またかよ！」

ザックは以前閉じ込められた部屋に再度閉じ込められて不機嫌な様子だった

「いや、もう本当勘弁してほしい･･･誰だよこの部屋作ったの･･･」

同じ経験をしたヴァルは前の部屋のお題を思い出したのか身震いした

「ふざけたことすんのはSM女ぐらいだろ！おい、早く出口探せよ！」

「出口っていうか･･･またあのお題をクリアしないと出れないんじゃないの？」

ヴァルは棚の後ろやベッドの下などを隈なく探してお題を捜している

「あ、あったあった」

ヴァルはメモ用紙を持ってザックの元に駆け寄った

メモに書かれていた内容はこうだ

【キスしないと出られません】

「はあああああああ！？」

「なにこれ」

以前よりは難易度は下がっているのかは不明だが、なかなかに厳しい内容だ

「どこでもいいのかな。じゃあ手の甲とかでもいいんだよね」

『駄目よ！ちゃんと唇に決まってるでしょ！』

「テメェ！SM女か！」

部屋に置かれたスピーカーからはキャシーの声が響いていた

「前もキャシーが？」

『そうよ！新刊のネタにさせてもらったわ！』

新刊？とヴァルは首を傾げたがザックはスピーカーに向かって吠える

「ふざけやがって！ぶっ殺してやるからさっさと出せ！」

『だぁかぁらぁ、ちゃんとお題をクリアしたら出られるって書いてあるでしょ？しっかり見てるから、ね！』

部屋の隅には監視カメラも置いてあった

「ザック、あのカメラに背を向けるようにして立ってほしいんだけど」

「あ？カメラだぁ？」

ヴァルはカメラにザックの背だけが映るように立たせた

「おい、これに何の意味が･･･っ」

意味が分からずに困惑するザックのフードを引っ張ってヴァルは口づけた

これならキャシーから見えるのはザックの背だけ

「ん･･･んん！？」

一瞬で離れるつもりだったが、歯列を割られて舌をねじ込まれた

逃げようにもいつの間にやらザックの腕が腰に回されていた

『何よもう･･･！ヴァルったら考えたわね･･･。って、ちょっとちょっと！長くない！？』

異変を感じたキャシーは制止させた

キャシーのモニターには振り返ったザックと涙目で彼に縋るヴァルが映った

「おい、やったぞ。早く出せよSM女」

『ふ、ふん！まあいいわ！罪人のくせに･･･合格よ！』

謎の敗北感と新刊のネタを手に入れたキャシーは複雑な思いで、カメラの録画ボタンを消した