殺戮の天使～偽りの後日談 (ページ23)

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増える生傷、消えない古傷　【エディ＆男主】ページ23

「いってぇよ！このカボチャ！芋！」

「うるさいな･･･ちょっとだけ我慢してよ」

B4で無事生贄を殺し、エディが丁寧に埋葬した後

エディの作業部屋で負傷したヴァルは手当てを受けていた

負傷とは言えど、隠し持っていたナイフの反撃を受けたぐらいの軽いものだった

それでも、自分が庇われたなら借りを返さなくてはとエディに捕まったのだ

「よし、頬の傷は終わったよ。あとは左腕･･･」

腕を手に取ろうとエディが手を伸ばすとヴァルは反射的に身を引いた

「もういい。自分でやるから」

「そこ一番深いんだから診せてよ」

お互いに一歩も引かなかったが先に折れたのはヴァルのほうだった

渋々といった様子でジャケットとシャツを脱いで傷口を見せる

新しく負った傷の他にも古い傷跡がたくさんあった

「傷の治り結構遅いね。歳？」

「なわけねぇだろ。ぶっ殺すぞ」

エディは左腕の傷を消毒し、包帯を巻いてやる

そのまま手を下に滑らせて引っ掻き傷のような傷跡に爪をたてる

「これ、まだ痛むの？火傷跡でしょ」

「別に･･･。ただ、お前みたいに爪たてられれば流石に痛い」

ゴチンと拳骨がエディの頭に降ってきた

「いったぁ･･･何だよもう！せっかく手当してあげたのに！」

「どこがだよ･･･嫌がらせの間違いだろ」

減らず口を叩きながらもエディの頭をぽんぽんと二度撫でた

ヴァルは身だしなみを整えるとB4を後にした

エディは撫でられた頭を自分で触りながら見送った

「何それ･･･やっぱ嫌いだな。あいつ」