◯◯しないと出られない部屋 その2 【ダニー＆男主】 ページ22
【ショートケーキを2人で50こ食べないと出られない部屋】
部屋の貼り紙にはそう書かれていた
「2人で50個ってことは1人で何個食べればいいか分かるかい？」
「え？えーっと...えっと...」
ダニーは同じく部屋に閉じ込められたヴァルに尋ねた
両手の指を折りながら計算しているが、やはり割り算はできないようだ
「25個だね？割り算本当にできないよね」
「うるさいな、できなくても死なないでしょ」
ダニーはため息をついてから席についた
テーブルの上には5つに切り分けられたショートケーキが10皿用意されている
1人5皿食べればクリアだが流石に厳しいだろう
「毒とか入ってないかな」
ヴァルも席につき、並べられたケーキを眺めている
「毒が入ってるならこんなに用意するかい？50個食べきれる保証もないのに」
「でも一応、ダニーは俺が毒味してから食べて」
「いただきまーす」と言ってからヴァルはケーキを口にした
その様子からどうやら毒は入っていないようだ
ダニーもケーキを食べ始めた
「僕はもう無理だ...」
「半分以上残ってますけど...」
「一生分の砂糖を摂取した気分だよ...」
ダニーが音を上げたのは一皿目を半分ほど食べた程度
「10年分の誕生日ケーキだしね」
そう言うヴァルの前には既に4皿詰んである
彼は今食べている分を食べれば25個クリアだ
「頑張ってよダニー...俺だけ食べても出れないんだから...」
「そう言われてもねぇ...」
「じゃあ苺だけ食べてあげるよ」
「やめてくれないかなぁ！？せめて生クリームを減らしてくれないか...」
「やだよ、生クリームだけはしんどい」
と言いつつ六皿目を手に取った
「ヴァル？それ六皿目だろ？」
「食えねぇなら食ってやるから早くそれ食べて」
ダニーの前に神が現れた
胃袋の限界量がないのか、次から次へと残った皿が消えていく
「ちょっと、あと一口じゃん」
「もう無理。吐く」
「吐いていいから早く食べて」
死にかけながらも何とか50個完食した
増える生傷、消えない古傷 【エディ＆男主】→←〇〇しないと出られない部屋 その１ 【ザック＆男主】
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作者名：青薔薇 | 作成日時：2016年4月6日 13時
