〇〇しないと出られない部屋 その１ 【ザック＆男主】 ページ21
「はい、あーん」
ザックの上にヴァルが馬乗りになりその口に何かを押し付けている
ヴァルの手に握られているのは生のピーマン
「嫌いな食べ物を食べないと出られない部屋ぁ？」
ザックとヴァルはビル内の謎の部屋に閉じ込められた
B6なのは確かだが、住人であるザックもこの部屋の存在を知らなかった
部屋には「嫌いな食べ物を食べないと出られません」と書かれたメモ書きと食材の乗った皿
恐らく二人分の嫌いなものだ
それをどうにかこうにか食べさせようとして最初に戻る
「くっそ！誰だよこんな部屋作ったのは！ぶっ殺してやる！」
「どう考えても情報提供者はグレイでしょ。実行犯は知らんけど」
「つーか退けよ！ぜってぇ食わねえ！」
「食べなきゃ出れないんだから我慢しろ！ピーマンて、子供かよ！」
ぐいっとピーマンを近づけると観念したのかガブッと噛みついた
これでクリアだろうと息をつくと思い切り後ろに押し倒された
受け身が遅れて頭を打つ
「ってぇな！なに...」
顎を掴まれて唇にピトッとつけられたものに反応して咄嗟に口を閉じる
「テメェも早く食えよ。出れねぇだろうが」
それは分かっている
が、さすがに無理なものは無理だ
「つか、何だよこれ。気持ち悪ぃ」
ヴァルが嫌いな食べ物
それはタコだ
しかも刺身だ
「さっさと口開けろ」
イヤイヤと首を振る
「口の中が苦ぇんだよ。早くしろ」
顔ごと背けてやる
「散々人にはやっておいて、自分は嫌がるのか？なぁ、ヴァレンタインさんよぉ」
「デ、デビルフィッシュ...無理...」
「ちっ、しょうがねぇな...」
ザックは一度離れたかと思うと思い切りヴァルの鼻をつまんだ
「口開けねぇと死んじまうぞ？」
「いや、これは卑怯...んぐっ」
一瞬の隙を付かれて口の中に押し込まれた
吐き出しそうなのを必死に耐えて嚥下する
「よし、ちゃんと食ったな。おい！さっさと開けろ！」
ザックは扉を蹴り飛ばしているが、ヴァルにはそんな元気なかった
「俺...死ぬのかな...」
扉は無事に開いたが、犯人は分からず何度か同じ部屋に閉じ込められるのであった
◯◯しないと出られない部屋 その2 【ダニー＆男主】→←さようなら 激注 【ダニー＆男主＋ザック】
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 32人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：青薔薇 | 作成日時：2016年4月6日 13時
