殺戮の天使～偽りの後日談 (ページ3)

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兄弟の話　【レイ＆男主】ページ3

『はい、どうぞ』

テーブルの上にティーカップとクッキーを並べる

そのティーカップを手に取って少しだけ冷ましてから口を付ける

「･･･美味しい」

『そう、良かった』

レイはあまり表情が豊かではないが、ほんの少しだけ表情が緩んだ気がした

B2の隠し部屋、ヴァルの自部屋にレイを呼んでお茶会をしていた

「ヴァルの家族ってどんな人たちなの？」

『ろくでもない家族だけど聞きたい？』

「ごめんなさい、話したくないなら･･･」

『いや、そんなことないよ？ちょっと待ってて』

ヴァルは席を立つと隣の部屋から古いアルバムを持ってきた

『家庭崩壊が早かったから、あまり写真はないけど･･･』

アルバムの中から一枚の写真を取り出してレイに見せた

「ヴァルのお父さんとお母さん？あとこの子は･･･」

『それ、俺の双子の兄。今、どうしてるか分からないけど』

写真には花畑の中で幸せそうに笑う四人家族の姿

『この数年後、母親が死んで父親が壊れたんだっけ』

ヴァルは寂しそうに目を伏せた

『幸せな家庭が欲しかったのはレイと同じかな』

しんみりとした部屋の中には紅茶の香りだけが漂っていた