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犬 要注意 【グレイ＆男主】 ページ17
"――〜の犬が"
と今まで生きてきた中で何度聞いただろうか
自分自身もそう呼ばれることだけでなく、その扱いを受けることも慣れてしまった
慣れというものは恐ろしく、感情さえも乗っ取る
犬らしい行動をするのは簡単だ
主人の敵に吠え、時に噛みつく
好きでもない相手に尻尾を振る
自分が犠牲になることで誰かが幸せになるのなら、と言い聞かせて
ぼんやりとした頭でそう考えているうちに目が覚めた
乱れたベッド、痛む腰、重い身体
上着は着ておらず肌寒さを感じて近くにあったブランケットを羽織ってベッドを降りた
欠けた右腕
赤い花が無数に残る首筋
「･･･ひっでぇ顔」
鏡に映った自分の姿を見て笑う
ふと香った甘い香り
浴室から漂う桃色の煙
シャワールームを開けると天上からぶら下がる昨夜嫌というほど見た男
その横で聖書を開いて立っている紫の神父服の男
「おはよう、酷い顔だな」
「シャワー浴びたいんだけど？」
神父は目の前にぶら下がる肉の塊を見つめて申し訳なさそうに笑った
「あぁ、すまない。今すぐに掃除しよう。寒いか？」
「少し」
「そうか。ならば、何か暖かいものを淹れよう。少し待っていなさい」
黙って頷くとブランケットともう一枚掛け布団を引き摺ってソファの上に丸くなった
主人が暖めてくれるまで忠犬らしく待つことにした
赤 注 【グレイ＆男主】→←実刑判決 ギャグっぽい 【グレイ＆男主】
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作者名：青薔薇 | 作成日時：2016年4月6日 13時
