殺戮の天使～偽りの後日談 (ページ14)

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煙草　注　【ザック＆男主】ページ14

Ｂ２の大聖堂に立ち込める甘い香りに混ざり、灰色の煙がゆらゆらと宙を舞う

自分の担当するフロアからお気に入りのスナック菓子を切らしたザックはＢ２に訪れた時にふと見かけた

グレイが所持するお香のような物から立ち昇る煙は確か桃色だったなと思いつつ灰色の煙の元へ向かうと見慣れた人物がその大元だったようだ

その人物はザックの気配を感じて振り返ると、長椅子の背凭れから体を離して起き上がった

「なんだ、来てたの。ごめんね、すぐ消す」

そう言うと灰皿に煙草の先端を押し付けて火を消した

ザックは幼いころのトラウマから火を恐れる

煙草の火種ですら怖がることを知ったのはつい最近

ヴァルは元々煙草を吸う習慣はないが、時折嗜む程度で吸うこともある

「お前、それやめろよ」

「心配してくれてるの？大丈夫だよ、ふかしてるだけだし。害は多くないよ」

同じ年齢なのに子供扱いしてくるヴァルに腹を立てたザックは手にしていた鎌をヴァルの座る椅子の前の背凭れに立てかけた

「ちげぇよ。俺が言いたいのは････」

ヴァルの座る椅子の背凭れに片手を付き、距離を縮める。空いている手で細い顎を掴むと薄い唇に包帯に覆われた自身の唇を重ねた。触れるだけでもなく、深くもない程度で唇を離す

「甘ェ･･･」

「だって苦い奴は苦手なんだもん。吸いたいなら今度教えてやろうか？」

ぺろりと舌を出して自身の上唇を舐めて挑発してやれば、短く舌打ちをして持ってきた鎌を担いで背を向けた

「いらねぇよ」

ガシャンと音を立ててエレベーターの中にザックは消えていった

「･･･子供扱いしたの怒ってるのかな？」

その後Ｂ６に戻ったザックは本来の目的をすっかり忘れたことを思い出してＢ４で大暴れしたらしい

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久々の更新がこんなのでいいんですか？いいんです。