episode#2 ページ4
「はい、チェックメイト」
「…は?」
お昼休みに入り、生徒たちは各々青春を謳歌しているとき。
俺は煙草が吸いたくなって誰も居ない屋上にやって来た…筈なんだが、どうやら先客が居たらしい。
視線の先の彼は、一人地面に座り込んで黙々と何かをしていた。
目を凝らせば、チェス盤の上で駒を動かしているようだ。
一人でやっても面白くないでしょうに…
そう思って、後ろから彼にそっと近づきもうチェックメイト出来そうな駒を勝手に動かす。
するとその男子生徒は勢いよく此方を振り返りその大きな目が俺を捉える。
なんか、凄い女子ウケしそうな顔してんなぁこの子…
「貴方、誰ですか?」
「通りすがりの数学教師です」
「…その格好で?」
「これが一番楽なんですぅ」
俺のだらしない格好をじとっとした目で見てくる。
いいじゃん?ジャージ。
「それよりさぁ、一人でやって楽しい?それ」
「っ…別に良いじゃないですか」
「楽しいかどうか聞いたんだけど…君友達居ないの?」
「…そんなに、友達が必要ですか?」
そう言って此方を睨む彼。
「んー、別に要らないっしょ」
「はぁ?」
「だってお前は必要ないんだろ?」
「…あんた、本当に教師?」
「免許見せたげよっか?」
「いい」
「あそう。じゃあ、俺とチェスの続きをしよう」
「何であんたと…」
「お前がいたせいで煙草吸えなかったんだよ。だから、暇潰しに手伝え」
「言っとくけど、僕は強いよ?暇潰しにもならないと思うけど?」
「ほーう、言うじゃねぇか少年。後で泣いても知らねーぞ?」
そう言って俺たちは、チェスの駒を定位置に配置する作業を始めた。
》》》
「こ、この僕が負けた…?」
「だから言ったろー?知らねーぞってよ」
「も、もう一回っ!!」
「そー言ってもう三回しただろもう戻るぞ」
「クソッ…!!」
そう言ってその綺麗な顔を歪める彼。
そんな悔しがる普通?
「次、また暇なとき呼びに来い。何時でも相手してやる。」
「ほ、ほんとにっ!?」
「嘘言ってどうすんだよ…お前、名前は?」
「山田、三郎…」
「ほーん、俺は稲数A…今は2年生の数学担当してる。」
「稲数、先生…」
「次はもうちっと修行を積んでからおいで、山田くん?」
「っ…!?」
そう言って頭を一撫でして屋上を後にする。
山田くんは後ろから次は絶対勝ってやる!!と声をあげていた。
いいねぇ若いって…
そう思いながら俺は昼休憩の終わりを告げる予鈴を聞いた。
‐
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あかねっこ(プロフ) - ペンギンサンさん» コメありがとうございます!!リポは暫しお待ちを!!あまりにも尊すぎて頭の中パンクしそうなので整理してからお伝えしようと思います!! (2018年11月23日 13時) (
レス) id: 11c41707f8 (このIDを非表示/違反報告)
あかねっこ(プロフ) - ナイト(´-ω- ` )))さん» コメありがとうございます!!理鶯ですね了解です!!時間はかかりますが暫しお待ちを!! (2018年11月23日 13時) (レス) id: 11c41707f8 (このIDを非表示/違反報告)
ペンギンサン(プロフ) - ライビュ羨ましい！もっとリポして下さいよぉ！(誰おま) (2018年11月20日 0時) (レス) id: 9bd14d6626 (このIDを非表示/違反報告)
ナイト(´-ω- ` )))(プロフ) - んんっ(*￣ii￣)、こんな小説探してました(*ﾟ∀ﾟ*)ドストライクですね...リクエストいいですか?理鶯が尽くしてくれる系ドMでかなり甘めのお願いします(*ﾟ∀ﾟ*)更新頑張ってくださいね(＊´ｖ｀) (2018年11月19日 17時) (レス) id: 259822b5cd (このIDを非表示/違反報告)
あかねっこ(プロフ) - ☆アスカ☆さん» 了解しました!!時間は掛かるかも知れませんが頑張りますね!! (2018年11月10日 8時) (レス) id: 11c41707f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あかねっこ | 作成日時：2018年11月3日 16時
