お揃いにしました。 ページ10
「…」
「…」
あれから約1時間経過しようとしていた。
流石に疲れてきたので帰ろうと思うのだが翠くんが一つのキーホルダーから中々離れない。
何だあれ…さいけつくん?あれは採血したときに貰うもんなんじゃないか…名前的に。
もしかして欲しいのだろうか?
欲しいなら買ってあげるけども。
「翠くんそれ欲しいの?」
「へっ…あ、別に…」
「って言いながら手を離さないよね君は」
「うっ…」
「やっぱ欲しいのね…」
買ってあげるのに何て言ったらうぅ、とかでも、なんて言葉にならない声を発する。
翠くんはまだまだ遠慮しがちだなぁ…
「よし、なら俺も買おう!」
「えっ」
「で、翠くんも買う。翠くんとお揃いだね。」
「お、お揃い…」
「俺が買ったら翠くんも買いやすいだろ?ほら、これからよろしく的なプレゼントだと思って!!」
「そ、それだったら…」
そう言って翠くんは緑、俺はオレンジ色の色違いをレジへ持っていった。
その後Aさんは本当にお揃いでよかったんですか?なんて聞いてきたから俺も結構さいけつくん気に入ってたし何て言っておいた。
―――――
「Aさん、今更なんすけど…」
「ん?」
「俺の趣味…気持ち悪いとか、思いませんでした…?」
「えぇ…本当に今更だね…」
家への帰り道、翠くんは突然そんなことを聞いてきた。
趣味ってさっきのゆるキャラのことだよね…
「どうしてそんなことを?」
「だって、男なのにゆるキャラが好きって…女の子じゃないのに…」
「ん―…確かに男でゆるキャラ好きは珍しいかもだけど、俺はいいと思うよ」
「…」
「俺だって、姉の影響でゆるキャラ結構知ってたし、今日の翠くん見てるとさらに好きになった」
じゃなきゃお揃いにはしなかったかもだしね。
そう言うと翠くんは目を丸くする。
「だって…前のマスターが…」
そう言いかけた言葉を引っ込め、代わりに翠くんの目にはうっすらと涙を浮かべている。
思わずぎょっとしてしまった。
まぁ、大体予想はしてたけど、やっぱ前の主人の影響なのか…
「前の主人なんて関係ないよ。翠くんは翠くんだ」
「っ!…」
「翠くんが好きならそれでいいんじゃないかな?」
「…」
翠くんがどういう顔をしているかは、何だか怖くて見なかったが、少し位は翠くんの中のわだかまりが軽くなってるといいなと思いながら、俺は歩き続けた。
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あかねっこ(プロフ) - 仁科一家さん» こういう設定がら、地雷な人多いだろうなぁと思って執筆していたのでそう言っていただけると嬉しいです!更新頑張ります!! (2018年6月3日 14時) (レス) id: 11c41707f8 (このIDを非表示/違反報告)
仁科一家(プロフ) - 普段占ツクのBLってほぼ地雷寄りなんですけど、この作品は本当に好きです。素晴らしい作品ありがとうございます! (2018年6月3日 10時) (レス) id: dec30a2f4d (このIDを非表示/違反報告)
あかねっこ(プロフ) - 琥珀さん» そうなんですよ…流星隊Pを殺しにかかってますね運営は…←更新頑張ります!! (2018年5月19日 23時) (レス) id: 11c41707f8 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - この作品楽しく読んでます!つらいですよね…クラス別スカウトAnd流星隊のイベ...これからも更新頑張ってください! (2018年5月19日 21時) (レス) id: 5e61c82747 (このIDを非表示/違反報告)
あかねっこ(プロフ) - 夜闇の魔物さん» ありがとうございます!!相変わらず亀さん更新で申し訳ないのですが頑張ります!! (2018年5月19日 20時) (レス) id: 11c41707f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あかねっこ | 作成日時:2017年12月26日 19時