【あんスタ】みどロイド、拾った。【男主】

好き ページ37

「翠くん、向こうに仲間がいるんだろ?」


「…はい」


「一緒に過ごしてきた仲間が…でも俺は、翠くんがその仲間に会える機会を無くしてしまったかもしれない」


「そ、そんなこと…」


「翠くんは戻りたかったかもしれないのに…翠くんの意見も聞かずに…」


「そんなっ、戻りたいなんて…!!確かに仲間にはもう一度会いたいとは思うけど…」






必死に励まそうとしてくれる翠くん。


こんないい子を縛り付けちゃいけないのに…


翠くんの右腕を握り強く引き寄せる。






「わっ!?」


「ごめんっ」






ぎゅっと腕のなかに閉じ込める。

翠くんは俺より少し小さいからスッポリと収まってしまう。






「あっ、う…Aさん…!ど、どうし…」


「好き、なんだ…」


「…へ?」









あぁ、言ってしまった…

抱き締めていてその顔は見えないけど、きっと翠くんは困っているだろう。

今まで同居してきた相手が好きになっちゃったなんて…それも男に。

俺だったら多分怖くて逃げ出してる。

でも、好きが止まらなくて…翠くんに迷惑なのはわかってるんだけど…






「翠くんのことが好きで、離したくなくて…」


「…」


「まだ一緒にいたいって思っちゃったんだ…」






俺はいつも翠くんに甘えてばかりだ。

翠くんが黙って聞いてくれるのをいいことに色々話してしまう…





「ごめんね急に…男にこんなこと言われても嬉しくないよね…」


「…」


「むしろ気持ち悪くて嫌われちゃったかも…」


「…」


「でも、翠くんのこと好きになっちゃったんだ…」


「…お、れも…好きっス、よ?」





今まで黙っていた翠くんが口を開いた。

きっと優しい彼だから、気遣って言ってくれたに違いない。





「ははっ…ありがとう。でもきっと、俺の好きと翠くんの好きは違うと思うから…」


「っ…!!」





自分に言い聞かせるように、俺は言葉を放った。




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