122Q メッセージとコールとそれから予感 ページ27
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十一月に入り、秋が深まる中。
こほんと咳き込む。
ここ最近喉が痛い。体もどこか重いから風邪の引き始めかもしれない。
注意しないとと思いつつ、Aはマフラーとコートを手に取りかけ、止めた。
視界の端で赤いランプが点滅している。点滅しているのは電話機だ。
非常識にも深夜にかかってきたようだ。ピッと留守録のボタンを押す。
瞬間、ヒュッとAの喉が鳴った。
どくどくと心臓が早鐘を打つ。
表示された氏名に、息ができなくなる。
震える指で再度ボタンを押す。
ピーッと高い音が鳴る。次いで、録音されたメッセージが流された。
＜――――――――＞
――――紺碧の瞳が、玻璃のように割れた。
遠くで、誰かの声が聞こえる。
知らない声。そして――。
ガチャリ。
どこかで、冷たい音を立てながら、扉が開かれた。
「あっれぇ？ 虹村、お前空良と一緒じゃねぇの？ 珍しいな」
「ああ、メールしたけど返信来なかったんだよ。てっきり西野ととっくに行ってると思ったからさ」
珍しく一人で教室に入ってきた虹村に、西野は胡乱な表情をした。
「は？ Aと一緒じゃないの？」
「え？ 西野と一緒に登校したんじゃねぇの？ 同じマンションだろ？」
「してない。今日は陸上部の様子を見に行くって伝えたから一緒じゃない」
「んんん？ どういう」
「お前らー席に着けよー」
そこへ担任が入って来た。
「っとなんだ、空良はいないのか？ 保健室か？」
「先生、Aから何か連絡入ってますか」
「いや？ 何も入ってないぞ？ 保健室に行ってるんじゃないのか？」
どくり。
西野の心臓が大きく跳ねた。彼女は慌ててスマホを取り出すとAに電話した。担任が何か言っているがどうでもいい。
だって、おかしい。
真面目なあの子が、学校にも自分にも、恋人の虹村さえも、誰にも連絡を入れないなんて。
コール音だけが響き、やがて無機質なアナウンスに変わった。
「っA!!」
西野は席から立ち上がるなり教室から飛び出した。
「お、おい西野!?」
「どこ行くんだよ!?」
周りの制止の声を振り切り、西野は廊下を駆けた。
――ああ、くそっ……！
どうして。
どうしてこんなにも。
いやな予感しかしないのだろう。
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黄葉氷雨(プロフ) - これ大好きです!!!思わず一気読みしちゃいました！続きが気になります…いつまでも待ってますよー (2016年2月25日 14時) (
レス) id: 2846151982 (このIDを非表示/違反報告)
ユミキ - この作品大好きです!!にじむー超カッコイイ！更新は急がなくて大丈夫だと思うので、きちんと完結した作品にしてください!!!お願いします！m(__)m (2016年1月5日 22時) (レス) id: 2cdc7b326e (このIDを非表示/違反報告)
はるち - 凄く面白かったです!!虹村さん男前すぎます!!キセキの気持ちがわかります!!期待してます!! (2015年12月30日 13時) (レス) id: 3cc41fe1af (このIDを非表示/違反報告)
紅葉−KUREHA−(プロフ) - 時計ウサギさん» 時計ウサギ様、コメありがとうございます！そう言っていただけると嬉しいです(*´∀｀)更新が落ちていますが気長に待っていただけると幸いです(；＾ω＾) (2015年12月10日 22時) (レス) id: 5687a48801 (このIDを非表示/違反報告)
時計ウサギ(プロフ) - 最初から一気に読みました♪虹村先輩カッコよすぎです!!続き楽しみにしてます♪ヽ(´▽｀)/ (2015年12月10日 21時) (レス) id: 93ddaea698 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉 | 作成日時：2015年7月1日 0時
