検索窓
今日:7 hit、昨日:5 hit、合計:43,251 hit

120Q 来週と土曜とそれから大事な話 ページ25

*****

「修造君」

 テラスでぼんやりとしながら空を眺めていると、Aが飲み物を手にしながらやって来た。

「A」

「はい」

「悪いな、あんがと」

「どういたしまして」

「あいつらは?」

「阿紀ちゃんたち撮ってるよ」

「ああ、西野のはすごいからなぁ……」

 ふっと遠い目をする虹村にAが苦笑する。

「でも似合うんだよね」

「確かに似合ってた」

「……あのね、修造君」

「うん?」

「来週の土曜日、空いてる?」

 少し躊躇いがちに訪ねてくるAに虹村は首を傾げた。

「土曜? まあ、空いてるのは空いてるけど……」

「あ、あのね、だったら少し、付き合ってほしいの。その……」

 視線を落とし、顔を俯かせながらAが小さな声を出す。

「大事な、話があるから……」

「……A?」

「……やっぱり、駄目……かな」

「やっ、駄目じゃねーよ」

 軽く首を振り、虹村はAの髪に手を伸ばした。

 さらさらと流れる黒髪を撫でる。本当なら頭を撫でてやりたいけれど、生憎(あいにく)片手しか空いていない。

 のろのろと、Aが顔を上げる。

「修造君……」

「どんな話かはしらねーけど、安心しろって。どんなことでもお前を拒んだしねぇから」

「っ……」

「なっ? だからそんな不安そうな顔すんなって」

「……うん、ごめんね……ありがとう」

「別に大したことじゃねぇよ。それより赤司たちのとこ行こうぜ」

「うん」

 小さな手を握るとAがにこりと笑う。

 その笑みにつられて虹村も自然と笑みをこぼした。

121Q 赤桃色と藤色とそれから癖→←119Q 定番と俺得とそれからハロウィン



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (52 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
91人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

黄葉氷雨(プロフ) - これ大好きです!!!思わず一気読みしちゃいました!続きが気になります…いつまでも待ってますよー (2016年2月25日 14時) (レス) id: 2846151982 (このIDを非表示/違反報告)
ユミキ - この作品大好きです!!にじむー超カッコイイ!更新は急がなくて大丈夫だと思うので、きちんと完結した作品にしてください!!!お願いします!m(__)m (2016年1月5日 22時) (レス) id: 2cdc7b326e (このIDを非表示/違反報告)
はるち - 凄く面白かったです!!虹村さん男前すぎます!!キセキの気持ちがわかります!!期待してます!! (2015年12月30日 13時) (レス) id: 3cc41fe1af (このIDを非表示/違反報告)
紅葉−KUREHA−(プロフ) - 時計ウサギさん» 時計ウサギ様、コメありがとうございます!そう言っていただけると嬉しいです(*´∀`)更新が落ちていますが気長に待っていただけると幸いです(;^ω^) (2015年12月10日 22時) (レス) id: 5687a48801 (このIDを非表示/違反報告)
時計ウサギ(プロフ) - 最初から一気に読みました♪虹村先輩カッコよすぎです!!続き楽しみにしてます♪ヽ(´▽`)/ (2015年12月10日 21時) (レス) id: 93ddaea698 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:紅葉 | 作成日時:2015年7月1日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。