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112Q 名前と本気とそれからほしい ページ17

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「えと、ええとね、だから嬉しいのはホントだけど、まだ早いというか、その、えと……」

 あわあわとまとまらない思考で必死に考えながら口にするA。

 そんな彼女に、虹村は――。

「………本気、なんだけど」

「へ……?」

 ぱちり、とAの目がまたたいた。

「さっき言ったやつ……わりと、と言うか、かなり本気なんだけど」

「え、え、え? じょ、冗談だよ、ねにじ……」
「A」

 すらりとした指が伸ばされ、くいと顎を上げられる。

「俺の、嫁さんになってくんね?」

「え、あ……お、およめ、およめさん……お嫁さん……!?」

「そっ、嫁さん」

「ま、まってにじ、虹村君! わた、私たちまだ、中学生っ! まだ、結婚とか、お嫁さんとかは早いし、それに虹村君に……」

「修造」

「……ぇ」

「名前、呼んで」

 Aの碧い瞳が丸くなる。

「え、なん、で、? え? え、いきな……」
「A」

「……」

「A」

「………………………しゅ、修造、君」

「んっ」

 戸惑いながらAが虹村の名前を呼ぶ。すると虹村はどこか嬉しそうな、満足したような笑みを浮かべ、その顔にどきりとAの心臓が鳴った。

「んじゃA」

「は、はいっ!」

 いきなり呼ばれ、裏返った声で返せば虹村が喉の奥で笑った。

「くくっ、そんなかしこまるなって」

「え、あ、うん」

 Aが小さく返せば、虹村は彼女を抱き直した。

「ん、そんじゃ改めて言うわ」

 Aの顎に伸ばしていた手を頬にやり、紺碧の瞳を覗き込むように真っ直ぐに射抜く。小さな肩を抱く手はほんの少し力を込めて――。

「俺と結婚して、俺の嫁さんになってほしい」

113Q 応えと今とそれからごめんなさい→←111Q 倒れてと覚まさなくてとそれから熱くて



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黄葉氷雨(プロフ) - これ大好きです!!!思わず一気読みしちゃいました!続きが気になります…いつまでも待ってますよー (2016年2月25日 14時) (レス) id: 2846151982 (このIDを非表示/違反報告)
ユミキ - この作品大好きです!!にじむー超カッコイイ!更新は急がなくて大丈夫だと思うので、きちんと完結した作品にしてください!!!お願いします!m(__)m (2016年1月5日 22時) (レス) id: 2cdc7b326e (このIDを非表示/違反報告)
はるち - 凄く面白かったです!!虹村さん男前すぎます!!キセキの気持ちがわかります!!期待してます!! (2015年12月30日 13時) (レス) id: 3cc41fe1af (このIDを非表示/違反報告)
紅葉−KUREHA−(プロフ) - 時計ウサギさん» 時計ウサギ様、コメありがとうございます!そう言っていただけると嬉しいです(*´∀`)更新が落ちていますが気長に待っていただけると幸いです(;^ω^) (2015年12月10日 22時) (レス) id: 5687a48801 (このIDを非表示/違反報告)
時計ウサギ(プロフ) - 最初から一気に読みました♪虹村先輩カッコよすぎです!!続き楽しみにしてます♪ヽ(´▽`)/ (2015年12月10日 21時) (レス) id: 93ddaea698 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅葉 | 作成日時:2015年7月1日 0時

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