紫色の夢＿ ページ7
まただ。
別の空間にとんだ。
パステル紫とでも言おうか。
もう、流れ的にも誰がいるか分かっている。
闇オーラ満載で素っ気ないけど、
誰よりも不器用な気遣いができる四男。
紫色のパーカーを着て、ジャージズボンを履く弟。
｢…おそ松兄さん。｣
｢いちまっちゃん！｣
｢そう呼ぶなってんだろクソ長男！｣
｢それ、言われんの2回目なんだけどお兄ちゃん！｣
｢だって、クソ長男だから仕方ないでしょ。｣
｢相変わらず、辛辣だねぇ。｣
そう嘆くと、一松は珍しく目を合わせてきた。
｢はぁっ、おそ松兄さん。
僕から言いたいことは、ただ2つ。
1つ目は。
……おそ松兄さん、責任とか感じないでね。
いや、責任とか感じない図太い神経の持ち主だと思ってたけど
案外兄さんって考えすぎること……あるし。
それに長年一緒に居た相手が居ないって
結構ストレス感じるコトだと思う。
いや、まぁこんなクズが居ても居なくても同じか。
でも、おそ松兄さんが気に病むことないから。
ただ、俺たちの事忘れては欲しくないかも……なんて。
柄でもないか。何言ってんだろ。
もう1つは、エスニャンと路地裏の猫に毎日エサやって欲しいって事。｣
淡々とした言葉が耳から脳内へ。
低いけど、他の声に決して埋まることの無い
心地のよい声色。
｢ええっ、一松ぅ。お兄ちゃんの事こき使うの？｣
揶揄う気持ちも混ぜて、顔を覗き込んでみる。
｢何その笑顔……気持ちわりぃ。｣
……凄く不機嫌そうな一松の顔をみて
少しヘコんだのは内緒。
誰にも言わねー。
｢三男四男のツンツン、どうにかなんないんだな。｣
本気で俺が心配している事を嘆いたら
脛を蹴られた。
｢もうヤダ……
ほんっとに、変わりたくなくなるじゃん……
＿＿＿、次だからな。｣
あっ、一松っ。
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加賀鬼 - マジ泣いた (2021年7月17日 0時) (
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作者名：イチゴミルクティ。 | 作成日時：2021年1月10日 23時
