第35Q 傷 ページ37
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――季節は、夏。
赤司がやってきたのは春の終わり頃で。
いつの間にか
そうして、私は。
帰ってこない赤司を持つことを、だんだん諦めかけていた。
首筋の傷は薄くはなったけど、完全に消えてはくれなくて。
赤司に対する気持ちと一緒で、間単にはなくならないんだと思って。
それでもたまに、涙が止まらない夜があった。
「……終わったぁ…！」
前期末試験の終了を告げるベルの音と同時に、私は机に突っ伏す。
この試験終了をもって長い長い夏休みがやってきたのだ。
すでに卒業に必要な単位をほとんど取得済みの私は、
今回の試験にすべて合格すれば後期からは授業がなくなるということもあって、
必死で勉強したのだ。
そのおかげか手応え十分で、うなだれる友人たちの姿を見つつもほっとしていた。
「A、またね〜！」
「うん、じゃあね」
それから、同じ試験を受けていた友達と別れ、私はひとり構内を歩いていた。
すると目の前から見慣れた人の姿が迫ってくる。
(涼太――…)
そう。
あの日以来なんとなく
……あの日、涼太に告白されて私はきちんと返事を返していなかった。
赤司がいなくなったことで頭の中はいっぱいで、
気づけば中途半端に時間も過ぎていたから涼太が何も言わないことをいいことに、
私からもなんのアクションもとらなかったのだ。
(う、わ。どうしよう！)
どこかに隠れようかと思ったけどそんな場所もない。
内心あわあわしているうちに、涼太はこちらに気づいたらしく駆け寄ってきた。
「……久しぶりっスね！」
「う、…うん」
曖昧に笑ってそう答えると涼太はいつものようににっこり笑って。
「そうだ、オレこの間モデルの仕事でロンドン行ってきたんスよ。Aっちが好きそうな紅茶の葉っぱ買ってきたんだけど、今からオレんち来ないっスか？」
何もなかったみたいに、そう言ってきた。
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ゆあ - すごくキュンキュンしました！ ヤバイですね！ これからも頑張ってください！ (2017年3月16日 22時) (
レス) id: 8e5932bb74 (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 吸血鬼の赤司がかっこいいです。 応援しています！ 頑張って下さい^ ^ (2017年2月14日 6時) (レス) id: bf74db187f (このIDを非表示/違反報告)
かずみ - いえいえ！はい！続編おめでとうございます。 (2015年6月7日 14時) (レス) id: 56b9cb16b3 (このIDを非表示/違反報告)
藍沢鳴(プロフ) - フユトさん» ありがとうございます！ これからも更新も含めて頑張らせていただきます！！ (2015年5月8日 14時) (レス) id: 5e3089a4fd (このIDを非表示/違反報告)
藍沢鳴(プロフ) - さくさん» ありがとうございます！ そんな風に言ってもらえて嬉しいです。(^^) これからも頑張ります！(*`･ω･´*) (2015年5月8日 14時) (レス) id: 5e3089a4fd (このIDを非表示/違反報告)
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