大切な仲間 Part10 ARS (ページ23)

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強がりの末っ子ちゃんページ23

智side

智「潤、あと少しだよ。頑張れ。」

僕は病院に着くまで救急車の中で声をかけ続けた。
潤の目は開いているのか閉じているのか分からない。

それでも手をギュッと握ると弱々しい力だけど握り返してくれる。

救「病院着きましたからねー」

病院に着くと潤はストレッチャーで処置室へ運ばれていった。

僕は潤が見えなくなると処置室の前にあるソファに思いっきり座った。

智「…じゅん…」

なんでこうなったのか原因も分からない。
もしかしたら最近元気が無かったのは、この予兆だったのかな…。

そうだとしたら本人は、かなりの時間僕達に隠してたことになる。

でも今は攻める気持ちにもならないから、無事なことを祈るのみ。

10分くらい経つと向こう側から見慣れた人影が3つ近づいてきた。

雅「智にぃ！」

智「みんな…」

翔「潤は？！」

智「まだ分からないんだ…。」

和「そっか…」

そんな時に処置室のドアから先生が出てきた。
僕達は慌てて先生の方を向く。

先「命に別状はありません。
ですがかなり症状が悪化していて今はICUという所で人工呼吸器を付けて呼吸を安定させています。」

翔「人工呼吸器って…」

先「かなり我慢されていたようです。
熱も38℃程ありましたし、胸の痛みはかなり前からあったようですね。
詳しくは私の診察室でお話するので、あの看護師について行ってください。」

先生が見えなくなるまで頭を下げ続ける。
でも僕達は診察室に着くまで一言も話さなかった。