大切な仲間 Part10 ARS (ページ22)

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強がりの末っ子ちゃんページ22

和也side

病院に電話をすると、救急車を呼んだ方が良いと強く言われた。

和「智にぃ！救急車の方が良いって…」

智「分かった。じゃあ、付き添いは僕が行くから皆は雅紀の車で来て？」

和「了解。
すみません、救急車お願いします。」

俺達の家は幸いなことに病院に車で約5分くらいで行けるんだ。
だから救急車ならもっと早く来てくれるみたい。

俺は電話を終えると、階段を駆け上がって潤の部屋に走って行った。

中に入ると翔にぃが必死に声をかけ続けていた。
潤はさっきよりも明らかにぐったりしている。

和「潤しっかり！
もうすぐ救急車来るから！」

俺も潤が意識を飛ばさないように必死に声をかけ続ける。

そして、ふと翔にぃを見ると潤の手を握っているその手は少し震えていて目はいつもより水分量が多めだった。

そうだよね…不安だよね…でも俺ら以上に不安なのは潤だと思うんだ。

だからこそ俺らが弱っている所は見せたくない。
ちょっとでも安心してくれればそれでいいから。

雅「救急車来たよ！」

数分後、救急車が到着。
少し安心したとは裏腹に潤の症状は悪化していた。

救「お名前言えますかー？」

潤「……」

救「かなり症状の進行が早いな…。
急いで運ぶぞ。」

救急隊員は智にぃと一緒にこの家を後にした。
ガチャンと閉まるドアの音と同時に翔にぃの目からは一粒の涙が頬を伝っていた。

雅「翔にぃ…大丈夫だよ。
潤は絶対大丈夫だから。」

和「そうだよ翔ちゃん。
潤くんは絶対大丈夫。」

翔「…そう…だよな…ｸﾞｽｯ…行こう。潤の所に。」

俺達は急いで支度を済ませて潤が運ばれた病院へと急いだ。