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75 久しぶりに ページ30

数日後 病院_

Aside

「今日はここまでです。お疲れ様でした」


……終わった。

きつく取り付けられていた器具を外され、ふうと息をつく。


『有り難う御座いました』

「はい、お大事に」


皆が次の試合に向けて練習に励む中、私も試合前最後の治療を終えた。
これで副作用を乗り切れば、次はウズベキスタン戦。
一星君の事もチームも、悠馬が代表に戻って来てくれるまでは私が守らなければならない。


『今日は光君、いるかな……』

光君なら一星君をよく知っている筈。
そう考えた私は、薬を受け取るまでの時間に光君の病室を訪ねる事にした。


【一星 光】
病室の横のネームプレートをもう一度確認し、扉を叩く。

光君、お願い。病室にいて……


まるで願う様に目をぎゅっと瞑っていると、少し時間を開けて扉の向こうから返事があった。

「はい、どうぞ」

はっ、と小さく声を上げる。


……光君、今日は居たんだ!

安心と少しの緊張を感じつつ、扉を横に引いた。

『久しぶり、光君。源Aです……突然ごめんね』

「えっ、わっ、Aさん!!」

予期していなかったのか、光君は驚いた様に体を震わせた。
私は、音を立てずに扉を閉める。


『びっくりさせちゃったかな?』

「いえいえ、全然!ど、どうぞ座って下さい。」

『うん、有り難う。光君、元気?』

「はい!」


少しオドオドとしている光君は、相変わらず一星君にそっくりだった。

軽い会話を交わしながら、どこで話を聞こうかと考える。

話題がイナズマジャパンや試合になった時、光君があの、と切り出した。


「最近、兄はどうですか?」

『あ、一星君?え、えっと……』

……なんと。
あまりにも自然に一星君の話になったので、私は若干口ごもってしまう。


正直に話してしまえば、光君は一星君をとても心配するだろう。

……それは、あまり良くない。

きっと、一星君は光君に心配を掛けたく無いんだと思う。
私だって、そうだから。


少し考えて、私は光君に笑い掛けた。


『一星君ね、凄く頑張ってるんだよ!私も仲良くしてもらってて、朝ごはんもよく一緒に食べるし……』

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きっしー - とっても面白いです。タツヤが見た怖い夢が実際にあったことで笑いました!(ノ´∀`*) (2021年11月15日 7時) (レス) @page2 id: 81b38530d7 (このIDを非表示/違反報告)
花鈴萌(プロフ) - 風月鏡花(仮)ふるる。さん» ふるるさん!いつも優しくして下さって本当に有り難うございます!!部活も小説も頑張ります(* ´ ▽ ` *)ふるるさんも部活に受験勉強に、そして占いツクール、頑張って下さい!応援してます!! (2020年9月15日 20時) (レス) id: 804840d57a (このIDを非表示/違反報告)
風月鏡花(仮)ふるる。(プロフ) - お久しぶりですっ!花鈴萌さんが戻って?来てくれてマジ嬉しいです!(σ≧▽≦)σこれからも更新頑張ってね!部活も! (2020年9月15日 19時) (レス) id: 28f80b2ad3 (このIDを非表示/違反報告)
花鈴萌(プロフ) - アリスさん» ありがとうございます……! (2020年9月11日 18時) (レス) id: 804840d57a (このIDを非表示/違反報告)
アリス - ずっと読ませていただきます♪更新頑張って下さい(^o^)/ (2020年9月11日 17時) (レス) id: c80579e6b6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花鈴萌 | 作成日時:2020年4月28日 1時

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