余命半年のマネージャーstage２〈イナズマイレブンオリオンの刻印〉

５８　催眠術 ページ12

「オーストラリアの選手の使っている能力はヒプノシス。一種の催眠術よ」

「催眠術？」

「敵は左右の手の動きによるヒプノシス効果によって暗示をかけているのよ。これによって間違った視覚を植え付けているの。」

『あ、だから……』


成る程。
皆は、あの手の動きで惑わされていたから何度もボールを取られていた。
目を閉じれば、ヒプノシス効果も効くことは無い。


ヒプノシス効果に対する打開策を得た日本は、先程とは打って変わり勢いを付けた。
ボールを確実に繋ぎ、ゴールへと持って行く。

必殺タクティクス「柔と剛」からボールは鬼道さんへ。
上空へと飛び上がった鬼道さんは、指笛を吹いた。

『あれって、もしかして』

「うん、多分……」


「オーバーヘッドペンギン！」

ペンギンの色が少し違うが、やはり灰崎君の技。

「ゴォォール！入ったああ」

鬼道さんの鋭いシュートで、日本は一点を取り返した。

「やったあ！」

「よし、ここから巻き返すぞ！」


反撃ムードが漂う日本。
しかし、課題はまだ残っていたのである。


試合再開後最初にボールを持ったのはやはり鬼道さん。
敵陣へとドリブルをして行く鬼道さんに、オーストラリアのマークが付く。

その時、マークに付いた選手のスパイクを見て私は声を上げた。
スパイクから、何かが出ている。

『鏡……まさか、アイツらも』
　
私の予想は的中してしまった。
相手は鏡を使って反射を起こし、悉く妨害をする。
韓国戦と全く同じ展開。

更には対策が出来ていなかった敵キャプテンの必殺技である「タイムトランス」により、日本は再び引き離されてしまった。

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