"愛す" をコンビニで買う 2 (ページ48)

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急な再会ページ48

_貴方side

「玲於に言ったら、絶対手ぇ出さないでねって電話きたよ(笑)」

そう笑う白濱さんはやっぱり悪い人なんかじゃなくて。

『ふふ、玲於くん朝一緒にいたのに』

「え！？泊まったの！？」

『え、はい』

まじかあと顔を歪める白濱さんに私は違和感を抱かなかった。

.

「いいね～、角度変えようか。そうそう」

そんな言葉が飛び交いながら、シャッターの切る音が響く。

「佐藤さん、スーツってもちあわせてたりしますか？」

現場の方に声をかけられる。

『え、スーツですか、？』

「急遽特集組むことになっちゃって...」

『スーツはもってないですね...』

困り果てる現場。

どうしよう。

企画潰れなんて相手方のことを考えたら胸が痛いし、

どうにかしようと口を開いた。

『ちょ、ちょっと待っててください！！』

宛もないまま走り始めた。

しってるひとなんているわけないけど、走って、

有名ブランドさんを探すけどなくて、

目に涙が溜まってきて、

『なんで突っ走っちゃうんだろうなあ、』

そんな自分の無力さと、あほらしさに涙が零れた。

『結局誰の力にもなれないんだよなあ...』

そういって、また1歩踏み出そうとした時。

「Aちゃん？」

声をかけたのは何時ぶりの数原さんだった。

.

走った。

2人で手を繋いで、周りからどう見られるかなんて考えずに、

ただただ走った。

『遅くなりました！！！』

そこにいるスタッフさん全員、もちろん白濱さんも

こちらへ顔を向けた。

『か、数原さんが貸してくださるって、』

「龍友くん！」

「おう、貸したるで着替えに行こや」

佐藤さん、ほんとにありがとう！！と喜んでくださる姿を見るとほんとに嬉しくて

私このために仕事してるんだなあって思った。

2人のあとについて歩いて、

部屋へとはいる。

『これ数原さん来てください。衣装なんですけど、』

「いや、パーカー持ってるで大丈夫やで？」

『だめです、私からのお礼ってことで...』

「はは、ほんま変わらんなあ。じゃあ遠慮なく」

そう言って部屋から出ていった。

「龍友くんもやるねえ、」

『ん？』

「ううん。かっこいいね龍友くん」

『はい、』

無意識に答えてしまったんだ。