告白 ページ7
_玲於side
ぶつぶつ言っているAの手を引きながらずんずんと進む。
空きの会議室に入ってAの目を見た。
「なあ、なにがあった?明らかにおかしい」
『ん〜(笑)何があったかって言ったらごく普通なこと。
カップルがキスしてた。
それだけ』
Aは辛そうに笑った。
俺はそんなAが見たいわけじゃなかった。
「龍友くん、キスしてたの?」
『っ...。うん』
何かを我慢するように唇を噛んだ。
『でも、普通のことでしょ??あの二人はカップルなんだから!
数原さんは彼女じゃないなんて言ってたけど、やっぱりほんとは...』
目に涙を溜めながら
笑って話している彼女を俺は抱きしめた。
俺の肩に彼女は顔を埋めて
『きっと、からかわれてただけなんだよ...』
と虚しく言った。
.
「なあ、俺さ龍友くんなら大丈夫って思ってたんだ。」
Aの肩をしっかり抱いて目を見てはなす。
彼女の頭にはきっとハテナがいっぱいで
今にも俺に疑問をなげかけてきそうだ。
「でもさ、もう我慢できない。
龍友くんが幸せにできないなら、俺が幸せにする。
俺と付き合って」
.
言ってしまった。
弱ってる時に言うなんてつくづく最低だって自分でもわかってる。
でも、龍友くんが動くのを待ってたら
Aはもっと傷つく。
傷ついて欲しくないんだよ...。
『玲於くん...』
Aは涙を零しながら名前を呼んだ。
彼女の頬に手を添えて、親指で涙をふき取った。
「こんな風に、もうAを泣かせたくない。
俺が、幸せにする。」
Aは目を逸らしてこういった。
『私はね、数原さんが好きなんだ。
きっとこれからも。
玲於くんの気持ちはすっごく嬉しい。
でも、これ以上利用できない...』
これ以上って言葉に引っかかったけど、
俺は自分の気持ちに精一杯だった。
「俺、Aのこと好きだから。すっげー好きなの。
利用されてもいい。考えておいて」
卑怯かもしんナけど、
振り向いてもらうためには利用されてもいい。
そばにいたい。
「戻ろっか」
涙を溜めたAの手を再び引いて部屋へ戻った。
.
なあ、俺の方見てよ、A。
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加恋(プロフ) - 大樹くん最高すぎて泣きそう (2021年1月1日 15時) (レス) id: 2e418c8a08 (このIDを非表示/違反報告)
Kas(プロフ) - ちーーさん» ありがとうございます!!これからもよろしくお願いします! (2019年1月19日 20時) (レス) id: 841873fbf3 (このIDを非表示/違反報告)
Kas(プロフ) - あきさん» ありがとうございます!! (2019年1月19日 20時) (レス) id: 841873fbf3 (このIDを非表示/違反報告)
ちーー - 続きめちゃきになります!まってます! (2019年1月14日 0時) (レス) id: c05d53fa4c (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - つつ゛ききになります! (2019年1月13日 21時) (レス) id: 14702f8eae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼 空 | 作成日時:2018年12月6日 23時