33話 ページ34
「亡くな、った?」
「手は、尽くしたのだけれど。……ごめんなさい。無理だったわ」
どこかで分かっていた。彼女はもう長くなくて、いずれおれの前から消えてしまうことも。
だけど別れっていうのは余りにも早くて、呆気なくて。別れの言葉を言う時間も与えてくれなかった。
「………こっち、来て」
看護師さんの後ろを歩く。着いたのは、霊安室。
そのベッドには、顔に白い布を被せた彼女。
彼女がそっと布を外すと、二度と目を覚ます事の無い、彼女。
……眠ってる、みたいだなァ。
いっそホントに寝てるだけだったら良いのに。でも、そんな願いは叶わなくて。
ありがとうございます、と看護師さんに告げ、戻ろうとすると、腕を掴まれた。
「これ、あの子から預かってたの。……私が死んだら、読んでほしいって」
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涙 - Chrisさん» ありがとうこざいます……!!ご指摘ありがとうございます。修正致しますね。ご拝読ありがとうございました。 (2020年6月27日 13時) (レス) id: 394661b33d (このIDを非表示/違反報告)
Chris(プロフ) - 読了後のちょっと暗い気分と明るい光景が凄く良かったです。突っ込むべきか10分迷ったのですが、30話のシーン、心臓マッサージは心臓が止まるまではやらないので、意識がなくなるのと心マ逆かな……と思いました(細かくて申し訳ありません)。めちゃ素敵なお話でした>< (2020年6月25日 22時) (レス) id: 73fd199b01 (このIDを非表示/違反報告)
涙 - ほたるさん» ほたるさん、拝読頂きありがとうございました。感動して頂きさけて何よりです! (2020年6月4日 15時) (レス) id: 394661b33d (このIDを非表示/違反報告)
ほたる(プロフ) - 視界が揺らいできました、良い作品をありがとうございます (2020年6月3日 0時) (レス) id: c7843103b7 (このIDを非表示/違反報告)
涙 - きららさん» 短かくてすみません……何か途中から話が思い付かなくて……笑 感動して頂けて何よりです、最後までご愛読頂きありがとうございました。えっそうなんですか……??メリバ良いですよね……((ボソッ (2020年5月26日 7時) (レス) id: 394661b33d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:西宮 | 作成日時:2020年4月20日 15時