23話 ページ24
Aside
視界が霞んで、ああ、もう無理なのかな、と悟りはじめる。
ふとその時、左手に温かい感触を感じた。何とか力を振り絞って見ると、さっちゃんが手を握っていた。
「A。貴方は、私が死なせない。私が、絶対に、治して、っ……」
嗚咽が聞こえる。私は笑って、ぎゅっと握り返した。
つぅっ、とさっちゃんの頬に涙が伝う。
『そ、だね……私、まだ、死ねないかな、……藍良くんも、いるし』
浮かび上がるのは、藍良くんの笑顔。温かくて、明るくて、愛らしい。大好きな笑顔。
さっちゃんは目を擦り、いつもの笑顔になる。
「貴方、よく藍良くんの事話すけど……。もしかして、好きなの?」
唇を結ぶ。好き、と聞かれて、以前の私なら"友達"として好きだと答えていた。
でも、今は違う。……違うはずだ。
『………そう、だね。私、藍良くんが、好き』
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涙 - Chrisさん» ありがとうこざいます……!!ご指摘ありがとうございます。修正致しますね。ご拝読ありがとうございました。 (2020年6月27日 13時) (レス) id: 394661b33d (このIDを非表示/違反報告)
Chris(プロフ) - 読了後のちょっと暗い気分と明るい光景が凄く良かったです。突っ込むべきか10分迷ったのですが、30話のシーン、心臓マッサージは心臓が止まるまではやらないので、意識がなくなるのと心マ逆かな……と思いました(細かくて申し訳ありません)。めちゃ素敵なお話でした>< (2020年6月25日 22時) (レス) id: 73fd199b01 (このIDを非表示/違反報告)
涙 - ほたるさん» ほたるさん、拝読頂きありがとうございました。感動して頂きさけて何よりです! (2020年6月4日 15時) (レス) id: 394661b33d (このIDを非表示/違反報告)
ほたる(プロフ) - 視界が揺らいできました、良い作品をありがとうございます (2020年6月3日 0時) (レス) id: c7843103b7 (このIDを非表示/違反報告)
涙 - きららさん» 短かくてすみません……何か途中から話が思い付かなくて……笑 感動して頂けて何よりです、最後までご愛読頂きありがとうございました。えっそうなんですか……??メリバ良いですよね……((ボソッ (2020年5月26日 7時) (レス) id: 394661b33d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:西宮 | 作成日時:2020年4月20日 15時