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____ノックを三回。



「失礼します。さとみ様、朝食のお時間ですが……」


音を立てないように 慎重にドアを開け、中を覗くと すやすやと寝息を立てているさとみ様が。


そのあまりに整いすぎている寝顔に、思わず見惚れてしまう。



もっと近くで眺めたい。



そんな欲望に駆られ、気がつけば、彼のベッドの真横まで来ていた。



ダメだ。許可なしに部屋に入ってはいけない。


でも それでいて背徳感が気持ちいい。


ひたすらじーっと眺めていると、ふいに彼の瞳がぱっちりと開いた。



「____お嬢さん、寝込み襲おうとしてる?」



「____!」



声にならない声をあげ、急速な思考停止と混乱が訪れる。


瞬間、グイッと腕を引かれ 片手だけで彼に覆い被さる形になってしまった。



「あ、あの、これは」



「ん、いいよ」



さとみ様は「はい」と目を閉じて 完全に無防備になった。


私は動けないでいると____


「……なに、怖気付いちゃった感じ?」


「あっ、えっと、大変申し訳ありません……!」




逃げるように部屋の入口まで向かおうと踵を返すと、彼は私の手首を掴む力をさらに強めた。



「逃げんなって……で、何しに来たの?」


「朝ごはんです!ジェル様も起こしにいかなくちゃいけないので食堂に行っていてください」


「なんだ、俺だけじゃないんだ。朝ごはんはAでよかったのに」



……反応するだけ無駄だと思い無視を決め込む。


ごはんが冷めてしまう前にジェル様も起こしにいかなければ。



謝罪も兼ねて一礼し、今度こそ部屋を出る。



そして扉の前でまた一礼。


ちらっとさとみ様の表情を見るが、その表情はうかがえなかった。









例のごとく ノックを三回。


中からは「んー、開けてええよ」と声が。



「し、失礼します。朝食のお時間です」


「おお、おはよ……なんかあったん?」



どこら辺を見てそんなことを言ってるのか定かではないが、恐らく私の顔だろう。


朝から逃げるようにさとみ様の部屋から小走りでここに来たから 息は上がっている。



「いえ、なにもないです……」


「ならええけど……朝ごはんやっけ、今行く」


「はい、では行きましょうか」



すぐにジェル様は私の元に来て 歩き始めた。


私は彼の半歩後ろを歩いているのだが、ときたま私がいるかを確認するかのように振り返って笑いかけてくれる。


……かっこいい。どこかの王子様とは違って紳士だ。

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虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 泡糖さん» こちらのほうでもコメントありがとうございます(T T)  以前もらった泡糖さんのコメントが本当に嬉しく、今でも活力になっているので またコメントくださって嬉しいです💕 これからも更新頑張ります! (2022年3月4日 21時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)
泡糖(プロフ) - 更新ありがとうございます!今回も読んでいて楽しかったです! (2022年3月4日 21時) (レス) id: eaad00c70c (このIDを非表示/違反報告)
虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 泡沫さん» 泡沫さん 本当にいつもコメントありがとうございます✨ 大丈夫ですよ!笑 あれは完全にゴキブリを意識してます、気づいていただけて嬉しいです……笑 (2022年2月10日 8時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)
泡沫(プロフ) - カサカサ…でゴキブリだと思ってしまった私は末期ですね(遠い目) (2022年2月10日 0時) (レス) @page25 id: 7687e77697 (このIDを非表示/違反報告)
虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 泡沫さん» 泡沫さん いつもありがとうございます!! 切り方もお誉めもいただき光栄です……ありがとうございます(T T) 今後の展開に乞うご期待です!笑 (2022年1月30日 8時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:虹の根元付近に生息しているアイ | 作成日時:2022年1月13日 18時

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