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「後でななもり様は問いただすとして……ころん様に服を返して、さとみ様には部屋に運んでくれたお礼を……」
ひとりずつ顔を思い浮かべながら口に出して整理していく。
____よし。それから朝ごはんを作って 掃除をして……
・
「……できた」
簡単なものだが、朝ごはんが完成した。
朝から手の込んだものは作れない。
ちなみに今日の朝は野菜のスープ煮込みとトーストと目玉焼き。大体朝はそんなものなのだ。
後はななもり様を除く皆様を起こしに行って……
「あっ、A!おはよー!」
早速、この匂いに誘われて 食堂にひとりめがやってきた。
しっぽをぶんぶん振りこちらへ走ってくる莉犬様は今日も可愛い。
「お久しぶりです、莉犬様」
「ずっと会えなくてさー、ごめんね?事情はころちゃんから何回も聞かされたけど」
彼は「あいつ猿みたいでさ」なんて笑いを堪えながら事の
「____いろいろご心配をおかけして申し訳ありません。王子様から聞きました、莉犬様も怒ってくれたって」
「本人から聞いちゃったんだ。ってことは、ようやくるぅとくんもスタートラインに立てたってことね、なるほど」
「スタートライン……?」
莉犬様の言葉に首を傾げていると、彼は「ふふん」と鼻を鳴らして事情を話し始めた。
「特に俺なんかはしょっちゅう相談受けてたからねー。『コイガタキに何聞いてるんだ!』って最初は言ったけどるぅとくんもめちゃくちゃ必死でさ。よくよく聞いたら『Aが好きだけど意地悪しちゃう』って……子供かよ!」
きゃはは、とまた可愛らしい笑い声を響かせながら彼は続ける。
「結局俺のアドバイスじゃ足りなかったのかさとみくんにも相談してたけどね。まぁ俺が答えたのはオススメのデートスポットとかそんなもんだけど」
「あ、あれは王子様が決めたんじゃなかったんですね……?!」
まさかの展開。
パンケーキやクローバー畑のあれは 莉犬様プレゼンツ だったというわけだ。
「ま、俺は じゃあどうぞ って渡さないからね。覚悟しといて」
「それはどっちに向けての……あ、もうこんな時間」
ふと時計に目をやると、もうすっかり朝ごはんの時間になっていた。
「座って待ってるのもあれだし、俺るぅとくんところちゃん起こしにいってくるね」
彼が気を使ってくれたのは一目瞭然だが、今はそれに甘えることにする。
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虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 泡糖さん» こちらのほうでもコメントありがとうございます(T T) 以前もらった泡糖さんのコメントが本当に嬉しく、今でも活力になっているので またコメントくださって嬉しいです💕 これからも更新頑張ります! (2022年3月4日 21時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)
泡糖(プロフ) - 更新ありがとうございます!今回も読んでいて楽しかったです! (2022年3月4日 21時) (レス) id: eaad00c70c (このIDを非表示/違反報告)
虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 泡沫さん» 泡沫さん 本当にいつもコメントありがとうございます✨ 大丈夫ですよ!笑 あれは完全にゴキブリを意識してます、気づいていただけて嬉しいです……笑 (2022年2月10日 8時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)
泡沫(プロフ) - カサカサ…でゴキブリだと思ってしまった私は末期ですね(遠い目) (2022年2月10日 0時) (レス) @page25 id: 7687e77697 (このIDを非表示/違反報告)
虹の根本付近に生息しているアイ(プロフ) - 泡沫さん» 泡沫さん いつもありがとうございます!! 切り方もお誉めもいただき光栄です……ありがとうございます(T T) 今後の展開に乞うご期待です!笑 (2022年1月30日 8時) (レス) id: c4be3cb89b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:虹の根元付近に生息しているアイ | 作成日時:2022年1月13日 18時