契約 ページ37
夢主視点
次の日
ツナデ
「今からお前たちに契約を結んでもらうが…。
ちゃんと話し合いはしてきたようだな」
『はい、大丈夫です』
もう、昨日までの距離はない
『これより契約に移りますので、
綱手様とシズネさんはご退出頂けますか?』
契約に部外者を立ち合わせるわけにはいかない
そのため、人目につかないように、
儀式は地下で行われることになった
二人が退出したのを確認すると、
目隠しを外し、彼に向き直る
『術式は書いた。
あとは、体液の交換と誓いを述べて完了。
これが終われば、前の関係には戻れなくなる。
本当に、いいんだね?』
ネジ
「ああ、問題ない」
『じゃあ、』
そう言い、彼に顔を近づけると…
ドンッ
ネジ
「何をする気だ!」
突き飛ばされた
『体液の交換って言ったよ。
血は感染症の恐れがあるから飲ませられないし、泣けって言っても泣けないでしょ?
こんな涼しい地下じゃ、
汗をかけっていうのも難しい。
キスが一番手っ取り早いんだよ』
彼はすごく納得のいかなそうな顔をしていた
いや、これはひょっとして…
(照れてる?)
思わず笑うと、怪訝そうにこちらを見てくるので、咳払いで誤魔化す
『ンンッ!…我慢してよ。
私だって、恥ずかしいんだから』
そう言い、再び顔を近づけると、
今度は大人しく目を瞑ってくれる
ゆっくり口づけをし、舌を絡める
口を離すと、銀色の糸が二人を結んでいた
(この実況は、いくらなんでも恥ずかしいね…)
羞恥心と激しく鳴る鼓動に気づかれないよう、
膝をつき、誓いを口にする
『我が名はリサ。
月夜見の名の元に、主への一生の忠誠を誓い、
ここに血の契約を結ぶ。』
そして、印を結ぶと、術式が赤く光りだした
と、同時に首元も赤く光り、
微かに焼けるような痛みを感じる
光が収まると、
私の首には呪印が浮かび上がっていた
忌々しい、鎖のような模様だ
…吐き気がする
が、そんなことはどうでもいい
私が、みんなを、彼を信じたいと思ったから
彼の足の甲にキスを落とし、頭を下げる
『契約、完了致しました。
これから命尽きるまで、
貴方にお仕え致します。…ご主人様。』
なんて、冗談
顔をあげ、彼と目を合わせる
『これからよろしくね。ネジ!』
誰にも向けたことのない、最上級の笑顔で
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作者名:じょうろ | 作成日時:2020年1月23日 21時