月黄泉 ページ20
⚠️流血、吸血表現が含まれます
苦手な方はご注意ください
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『月夜見は、吸血鬼と人間の間に
生まれたとされていて、
自身の血液を操ることができる。
昨日君たちを拘束したのも、
中忍試験のとき巻物をとったのもその力で、ね』
彼女は続ける
『その力は、他者の血液を飲むことで強まり、
短い時間ではあるけど、飲んだ他者の血液も
操ることができるようになる。こんな風に』
そういうと、まだ噛み傷の残るガイの腕をとる
深く噛まれたわけではないが、
まだ血は止まりきっていなかった
彼女が、その傷口を舐め
傷口に手をかざすと、
赤いチャクラが傷口を覆い、血が止まる
『まあ、他人のだとこれくらいが限界かな。
自分のなら傷口を完全に塞ぐこともできる。
多量のチャクラを使うけどね』
脚の血が止まっていたのは、
その力を使ったからだ
ﾃﾝ
「じゃあ、昨日ガイ先生に噛みついたのって、
血を飲むため？」
『違う。…いや、違わないか。
昨日は、《暴走状態》に入っていた。
満足するまで血を飲みつくす、
とても危険な状態」
ﾈｼﾞ
「暴走状態？」
『そう。飢餓状態のときに、
他者の血液、若しくは月を見ることで起こる。
月夜見は、血液から主に栄養を得るけど、
好んで血を飲みたがる者は多くない。
ほぼ必然的に飢餓状態になってしまう。
月や血を見ないようにすることが、
目隠しをする一つの理由だ。』
ﾃﾝ
「でも、血はわかるけど、
なんで月もだめなの？」
『《月夜見》とは、すなわち《月黄泉》。
月夜に人を黄泉へ誘うということが由来だ。
力は、月夜、特に満月に近いと強まる。
それは、その習性も強まるということ。
一度月が出ていると認識してしまえば、
目隠しは意味を成さない。
だから、月を見るのもだめなんだ。』
昨日攻撃を止めたのは、月が雲に隠れたからだ
そして、昨日は『下弦の三日月』だった
あれが満月だったら、一度暴走すれば、
雲に隠れても攻撃をやめることは
なかったらしい
ｶﾞｲ
「仲間も、暴走してしまったからか」
『そう。だから、月夜見に生まれた時点で、
私に仲間ができるはずはなかったの。
その時は、それを解ってなかった』
そう言う彼女は、とても寂しげにみえた
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(作者)
月夜見については後でまとめます
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作者名：じょうろ | 作成日時：2020年1月23日 21時
